4月6日は「カルボナーラの日」ということで、世界中で多くの方がカルボナーラを楽しまれたのではないでしょうか?人気のカルボナーラ、イタリアでちょっとした波紋を呼んでいる論争があります。
カルボナーラにトマト!?
これまでも、ピザにパイナップルをのせたり、パスタにポルペッタ(ミートボールのこと)を入れたり、イタリア料理のアレンジは多くの議論を呼んできました。
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ところが、今回の論争のきっかけとなったのは、アメリカの有力紙ニューヨークタイムズが掲載したカルボナーラのレシピで「Smoky Tomato Carbonara スモーキー・トマト・カルボナーラ」というもの。
Smokey Tomato Carbonara by NYT
カルボナーラの伝統的なレシピは、グアンチャーレ(豚の頰肉)、卵、ペコリーノチーズ(羊のチーズ)、こしょうを材料とします。ところが、こちらのレシピに使用されているのはグアンチャーレの代わりにベーコン、ペコリーノチーズの代わりにパルメジャーノ、そして、トマト!!!
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フェークイタリアン?
このレシピに反応した人たちの一つが、イタリアの農業団体コルディレッティで、「アメリカ:メイド・イン・イタリーの裏切りのトマトカルボナーラ」というタイトルの記事で「イタリア料理を最もゆがめたレシピの一つ」だと非難しました。
アメリカ:メイド・イン・イタリーの裏切りのトマトカルボナーラ(原文) Usa: la carbonara al pomodoro tradisce il Made in Italy
これによれば、メイド・イン・イタリーの定義がはっきりしないことが、多くの ‘フェーク’ と、農業における国際的な海賊行為(L’agropirateria” internazionale)の温床になっており、模造品によってメイド・イン・イタリー製品は 100ビリオンユーロ(約13兆円)の市場機会を失っているとのこと。
そして本当の脅威は、イタリア独自の伝統の技術や伝統、地元の特産品など、ホンモノのメイド・イン・イタリーが軽視され、その価値が損なわれることとしています。
伝統的なレシピで作ったもの Photo by YUKAKO
あなたはどう思いますか?
言葉もそうですが、料理も進化するもの。
特に、手に入りにくかったり、値がはったりする材料があれば、何か代替品を探して工夫して使うというのは自然なこと。
一方、トマトが入ったカルボナーラを、果たしてカルボナーラと呼ぶのがふさわしいのか、、、と言われると、イタリア人が憤慨する気持ちも理解できます。
読者の皆さんはどう思われますか?
ITALIAMO編集部