イタリアの日常、イタリア人に愛されるムリーノビアンコ おいしい!以外のムリーノビアンコをあなたは知っていますか?
朝食のおともに、ムリーノビアンコのビスケットを
ムリーノビアンコ(Mulino Bianco)は、イタリア人なら誰でも知っている有名なビスケットのブランド。イタリアでは、エスプレッソやカプチーノ、牛乳などと一緒に朝食としてよく食べられています。
ムリーノビアンコは、イタリア最大の食品会社バリッラ(Barilla)のビスケットブランドとして、1975年に誕生しました。素朴で優しい味のビスケットが店頭に並び始めると、すぐに大人気に。短期間でイタリアのベーカリー部門の市場でトップに上り詰めました。最初に発売されたのは5種類のビスケットですが、現在ではビスケットだけでなく、マフィンやクラッカー、パン、ケーキなど、100種類以上の製品が展開されています。
ムリーノビアンコのビスケットは20種類以上あり、さまざまな味が楽しめます。
ロゴとパッケージ
ムリーノビアンコといえば、水車小屋がトレードマーク。今日まで一度も変更されていない、この水車小屋が描かれているロゴは、ブランド哲学である農村や田舎を表す3つの要素によって構成されています。穂と花は自然を、水車小屋は伝統を表現しており、ムリーノビアンコ(イタリア語でムリーノは製粉するための水車小屋、ビアンコは白を意味する)という名前は、純良で健康という概念をもつ先の2つを統合したものです。
ムリーノビアンコのロゴ
パッケージに使われている色には、優しさを連想させるうすい黄色が選ばれています。この色、オーブンに入れる前のビスケット生地やザバイオーネの色に着想を得ているとのこと。小さい頃、出来上がりを待ちきれず、マンマの目を盗んでビスケット生地やザバイオーネを味見したことはありませんでしょうか。水車小屋は懐かしい記憶を思い出すきっかけに、その他の部分はそれを手助けするように、との想いがムリーノビアンコのパッケージを生み出したのです。
Tarallucciは最初に販売された5種類のビスケットのうちのひとつ。トレードマークの水車小屋がビスケットにデザインされています。
パッケージの背面には、ビスケットに使われている原材料がわかりやすく記載されています。
現実にある水車小屋
ムリーノビアンコのロゴに使われている水車小屋ですが、実はシエナ県のキウズディーノという街に実在しています。キウズディーノの水車小屋は、13世紀に使われていた本物の水車小屋で、特別に復元されたものになります。ここはコマーシャルの舞台としても使用され、コマーシャル放映後、多くの人が訪れる観光名所になりました。現在は、アグリツーリズモとしても人気の場所です。また、近くには、岩に刺さった「聖なる剣」で有名なサン・ガルガーノ修道院もあるので、合わせて訪れるのもおすすめです。
キウズディーノにある水車小屋で撮影されたコマーシャル(1分過ぎから水車小屋のシーン)
食べるだけじゃない、集めたくなるムリーノビアンコ
ムリーノビアンコといえばビスケットですが、食器やマグカップなどのグッズが存在するのをご存知でしょうか。イタリアでは、パッケージについているポイントを集めると、ムリーノビアンコのロゴがデザインされたグッズを手に入れることができるのです。このプロモーションは、1978年に始まり、初のグッズはカフェボウルでした。プロモーションは大成功で、当時2,000万人以上のイタリア人がカフェボウルをもらうためにポイント集めをしていたようです。2020年現在行われているプロモーションでは、18ポイントでカフェボウルとお皿、25ポイントで温かい飲み物とビスケットを持ち運べるビスコタッツァ(Biscotazza)を手にすることができます。ビスケット1袋に大体1ポイントがついています。今でも多くのイタリア人がムリーノビアンコグッズのためにビスケットを購入していることでしょう。
過去にポイントを集めてもらえた食器たち
このポイントをあつめるとグッズと交換できます。ポイントがついてない袋もあるので、購入時は注意が必要。
2020年現在行われているプロモーションでもらえる食器たち。カフェボウルは、一番初めに登場したものと同じタイプ。
この記事を書いた人
MAYUKO
初めての海外旅行で訪れたのはイタリア。そこからどんどんイタリアにのめり込み、大学院在学中にイタリア留学を決意。大学院での研究テーマはジュゼッペ・ヴェルディ。一度は日本へ帰国・就職するも、イタリアへの想いが忘れられず、2019年に再びイタリアへ戻ることを決意。現在ミラノ郊外在住。
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