グルメなローマっ子の舌を唸らせる、ローマのB級グルメ。今回は代表して、トラピッツィーノ、スップリ、ピンサの3つをご紹介します。リーズナブルな価格でお腹が満たされるお得なグルメたちです。
トラピッツィーノとは?
Photo by YUKAKO
トラピッツィーノとは、トラメッツィーノ(tramezzino、イギリス風サンドイッチのこと)とピッツァ(pizza)を掛け合わせて作られた造語です。
サンドイッチとピザのいいとこ取りで、フカフカの三角すいの形の生地にしっかり煮込まれた具を詰め込んだピザサンドです。
ローマのテスタッチョ地区の小さなお店で生まれ、そのユニークな形状、美味しさから『ニューヨーク・タイムズ』でも取り上げられ、地元のローマっ子のみならず、観光客も多数訪れる有名なグルメになりました。
詰める具はローマの郷土料理
詰める具は、一例として以下のものがあります。
・鶏肉のカチャトーラ風
・ナスのパルミジャーナ
・ブロッコリーとサルシッチャ
・牛テールのトマトソース
・春野菜のローマ煮込み
・ポルペッタのトマトソース煮込み
このように、ローマの郷土料理である煮込みが多いです。
これらを、三角すいのピザ生地にサンドして食べます。ソースに共通するのは、どれも味が濃いということ。
しかし、それほど大きくないサイズなので、日本人の私にはぴったりでした。
まだ幼い私の娘でも、しっかり食べていましたよ。
トラピッツィーノが美味しいお店
筆者オススメのお店はこちら。
Trapizziono (Roma Tetaccio)
Via Giovanni Bianca 88, Roma
https://www.trapizzino.it/locali/
上記店舗以外にも、ローマに5店舗、ミラノに2店舗、フィレンツェに1店舗、トリノに2店舗、さらにニューヨークなど国内外に店舗を拡大している、人気のお店です。
ピザよりヘルシー!ピンサ
Photo by YUKAKO
ピンサとは、ピザの原型にもなった食べ物とも言われている、ヨーロッパを中心に人気を集めているヘルシーフードです。
平たい生地の上に、様々な具材が載っています。
一見するとピザのようですが、ピザとの大きな違いがあるのです。
ピザとの違い
見た目はそこまでピザと違いがないように見えるピンサ。
なぜヘルシーかというと、小麦粉ではなく米粉を使っているから。
小麦粉を使わず、米粉で生地を作っているため糖質が抑えられます。
また、カロリーも抑えられるため、食べすぎてしまっても罪悪感は少ないはず?!
ダイエット中の方にはピッタリの食べ物ですね。
サイズもピザに比べると小ぶり。
まん丸ではなく楕円形で焼き上げているお店が多いようです。
個人的にお勧めは、ズッキーニと生ハムがのっているもの。イタリアは野菜や加工肉の使い方が本当に上手だなぁ、と一口食べれば実感できるはずです!
日本にも数年前に進出したようですが、残念ながら現在は閉店。再び進出してくれるのを期待しましょう!
ピンサが美味しいお店
筆者オススメのお店はこちら。
La Pratorina
Via degli Scipioni, 248, Roma
http://www.pizzerialapratolina.it/
このお店以外にもバールなどでも、軽食として売られていることも。
楕円形の小ぶりなものを見かけたら、ピンサか尋ねてみてください!
驚きが隠されている?!スップリ
Photo by Shie0924 on Photo AC
シチリアのアランチーニと並んで、有名なのがイタリア版ライスコロッケとも言われる、スップリです。リゾットをコロッケにして揚げてあります。
スップリは、フランス語のシュルプリーズ surprise(驚きの意味)からきていると言われています。食べてみてびっくり、中に思いがけないものが入っている、ところからこの名前になりました。
何が入っている?
それでは、中に何が入っているのでしょうか?
答えは、モッツァレラチーズです。
モッツァレラチーズ、もう日本でもお馴染みのチーズになりましたね。
モッツァレラチーズが入っているため、食べると熱々のチーズがトロ~リ。
この嬉しいサプライズに、スップリを食べたフランス人が驚き、この名前になったようです。この驚きの美味しさ、納得です!
Photo by YUKAKO
市場で揚げる前の状態で売っていることも。オーダーしてから揚げてもらいます。
モッツァレラチーズが入っているタイプは、クラシックタイプでいわゆる典型的なローマのスップリ。最近では、ピスタチオ味、カチョエペペ(チーズと胡椒)味、生ハムとチーズ入りなど様々なアレンジも出てきています。
スップリが美味しいお店
筆者オススメのお店はこちら。
Supplizio Roma
Via dei Banchi Vecchi 143 Rome, Italy
https://cosaporto.it/prodotto/i-suppli-di-arcangelo-2-pezzi/
このお店に以外にも、ローマの市場やバール、リストランテなどでもスップリは見かけます。
ぜひ揚げたてをモッツァレラチーズをビヨ~ンと伸ばしながら頬張ってみてください!
最後に
Photo by Polina Tankilevitch on pexel
余談ですが、ローマ料理はよく saporito と表現されます。味 sapore から派生した形容詞で『美味しい』という意味なのですが、『塩気の多い』、というニュアンスも含みます。
それだけ、ローマ料理は塩気のあるものが多い証拠でもあります。
でも、この表現はポジティブな意味なので、塩気があってちゃんと味を感じられる美味しさ、という意味なので、ぜひローマ料理を口にしたら使ってみてくださいね!
今回ご紹介したB級グルメは、味だけでなくお値段も財布に優しい値段設定(10ユーロしない!)なので、食べすぎても安心です。
ローマを訪れた際は見つけて食べてみてください!
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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