“口の中に飛び込んでくる!?”ローマの郷土料理サルティンボッカの魅力とは? 

サルティンボッカ・アッラ・ロマーナを知っていますか?
saltare(飛び込む)、in(中に)、bocca(口)という意味のイタリア語からわかる通り、口の中にどんどん飛び込んでくるほど美味しい!という意味でつけられた、ローマの郷土料理です。

Saltimbocca(サルティンボッカ)とは?

Saltimbocca(サルティンボッカ)は、薄切りの仔牛肉に、生ハムとハーブのセージを乗せて、ソテーした一品料理です。
その美味しさから、どんどん口の中に飛び込んでくる、と名前がつけられました。
発祥は諸説あるようですが、イタリアのブレッシャで生まれたという説が、有力のようです。19世期後半にはヨーロッパに広がり、ローマが特に力を入れて取り入れたため、現在ではローマを代表する郷土料理となりました(『アッラ・ロマーナ』とは「ローマ風の」という意味です)。

どこで食べられる?

Photo by Nicolas Mejia on Unsplash

では、サルティンボッカはどこで食べられるのでしょうか?
もちろん立派な一品料理ですので、リストランテやオステリアなどで食べられます。メニューにsaltimboccaとあったら、是非頼んでみてください!
また、コーヒーなどを飲むbar(バール)にも、ランチタイムには並んでいることも。もし見つけたら、ラッキーですね。
ただし、ローマの郷土料理なので、ローマ以外の街だとなかなか見当たらないでしょう。

また、家庭料理でもあるこの一皿。意外なほど簡単に作ることもできます!

シンプルな材料&作り方

リストランテでも食べることのできるサルティンボッカですが、作り方はとてもシンプルです。
材料はこちら(4人分)。

・薄切りの仔牛肉 400グラム
・生ハム 8枚
・セージ 8枚
・小麦粉 適量
・バター 20グラム
・オリーブオイル 大さじ2程度
・白ワインまたはマルサラ酒 50cc
・胡椒

いかがですか?
仔牛肉、と聞くと、うーん、日本では手に入りにくそう…と思われるかもしれませんが、豚肉または牛肉の薄切りを代わりに使うこともできます。
個人的には、豚肉の方が仔牛肉の食感に近いと思いました。牛だと、少し味が濃い気がします。でも、これはお好みなので食べ比べしてみるのも面白いかもしれませんね。

ちなみに仔牛肉は、イタリアでは一般的に売られています。日本で仔牛肉というと、レストランなどのコース料理くらいでしか口にしないので、とても高いイメージがあるかもしれません。イタリアでは、そこまで値が張るものでもないので、もしイタリアに行ってご自身で料理をする機会があれば、挑戦するのも楽しいと思います。
お肉屋さんに出かけて、
“vitello per saltimbocca(ヴィテッロ ペル サルティンボッカ)”
といえば、サルティンボッカ用にスライスしてくれます!(イタリアでは、普通お肉はかたまり肉で売られていますので、こうしてお肉屋さんにスライスしてもらいましょう)。

もう一点補足です。
ソテーに使うお酒は、白ワインが一般的ですが、シチリアのワインであるマルサラ酒を使うのもおすすめです。
また違った味わいになりますので、マルサラ酒が手に入るのであれば、そちらも試してみて下さい。

それでは、作り方です。

1. お肉を軽く叩き、厚みを均一になるようにします。それから胡椒をふります。塩は生ハムの塩分があるので、使いません。

2. 仔牛肉に生ハムとセージを載せ爪楊枝で止めます。小麦粉をまぶし、余分な粉は落とします。
3. フライパンにオリーブオイルとバターを入れて溶かします。

4. お肉を入れて、ソテーします。

5. じゅうじゅう音がしてきたら、肉を裏返して、白ワイン(マルサラ酒)を入れ、蓋をして10分蒸し焼きにします。

これで、出来上がりです。
セージは焼いている途中に乗せるレシピもありますし、塩味が足りない人は塩をもっとかけても良いです(でも、健康には悪いので程々に)。
またお肉はくるくると巻くレシピもあるようです。イタリアでは、レシピは家庭ごとに違うので、是非それぞれの家庭のサルティンボッカを味わってみたいですね。

味は?

そして気になるのがお味です。バターのコクと生ハムから出る塩分、そしてセージのほろ苦さが融合して、なんとも言えないハーモニーを生み出しています。
ポークピカタとも生姜焼きとも違う、不思議な味と食感に仕上がっているんです。筆者は、これまで色々な国に行きましたが、この味はイタリアでしか味わった事がありません!

合わせるお酒は?

Photo by Big Dodzy on Unsplash

お肉と合わせるのは赤ワイン、と思いがちですが、イタリアではお肉と白ワインの組み合わせも、ポピュラーです。
これはあくまでも個人的な意見ですが、サルティンボッカと合わせて飲むワインは、お肉もこってりしすぎていないため、すっきりとした喉越しの良い白ワインの方が合っているように思われます。
リストランテで飲むのなら、お店の人におすすめを聞くのも良いでしょう。

Photo by YUKAKO

いかがでしたでしょうか?
「口に飛び込んでくる」ほど、美味しいと言われるサルティンボッカ。
これを書いているうちに、筆者は思い出してお腹が空いてきました。
イタリアで味わえるのが一番ですが、なかなかイタリアに渡航できない昨今。
日本のイタリアンレストランで探してみたり、おうちでローマの味にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか?
食べる手が止まらなくなってしまうかもしれません!

 

この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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