雑学・豆知識：ロマンチックで歌うように話すイタリア語の、数字で見るあれこれ
アルファベットは21文字
イタリア語は、5つの母音 A, E, I, O, U（アエイオウ＝あいうえお）と16の子音で構成され、合計は21文字。J, K, W, X, Y は正式には存在しないのです。もし見かけた場合は、外来語か外国語の名前、もしくは一部地域の方言からくる名前になります。
Photo by Surendran MP on Unsplash
トスカーナが選ばれた3つの理由
現在、標準イタリア語と呼ばれている言語は、13世紀のトスカーナまたはフィレンツェの言葉に由来していることをご存知の方も多いのではないのでしょうか。この選択には長い論争があったものの
- フィレンツェには経済的・文化的名声があったこと
- ダンテ、ペトラルカ、ボカッチョという3人の偉大な作家の作品に使用されたこと
- 言語学者ピエトロ・ベンボ（Pietro Bembo）がフィレンツェの言語について初の文法文献をまとめ規則化したことにより、標準語として採用するのが簡単になったこと
などが理由となり、選ばれることになりました。
なお、そんなトスカーナでは、コカ・コーラのことをホハ・ホーラと発音します。
イタリア語の34の方言
イタリア語学習者を悩ませるのが地方言語の多様性。イタリアにはおよそ34の現存する地方言語があり、ラ・スペッツィアとリミニを結ぶ線から上を北イタリアの言葉、標準語のトスカーナの言葉、以南の中・南イタリアの言葉に大きく分けることができます（ただし一部の言葉は、ルーツすらも異なる場合がありますので注意）。以下のマップは、自宅で使われる唯一もしくは主要な言語が標準イタリア語でないケースを表すもの。色が濃いほど、地方言語が使われていることを示します。
（ISTAT2015; Wikipediaより）
最も多く話されているのが、標準語のトスカーナ方言（5千9百万人）であるのはいうまでもありませんが、それに続くのが中央イタリア語（5.7百万人）、シチリア語（4.7百万人）、ヴェネト語（3.8百万人）、ロンバルディア語（3.6百万人）、ナポリ語（3.0百万人）。地方言語の多くは消滅の危機にある一方で、移民の増加によりルーマニア語、アラビア語、アルバニア語などを話す人口は増加しています。
外国でのイタリア語 3つのトリビア
- イタリア語を公用語にしているのは5つの国と1つの連合。イタリアに加え、スイス、ヴァチカン市国、サンマリノ共和国、マルタ騎士団（※）の5カ国、及び、欧州連合の公用語です。また、スロベニアとクロアチアでは一部の地域のみで公用語として使われています。（※）カトリックの騎士修道会のことで、領土はないが国際法上主権が認められている。国のマルタとは異なる。
- イタリア語を第一言語もしくは第二言語として話す人は世界中でおよそ6千8百万人、40国以上に渡ります。ヨーロッパ諸国はもちろんのこと、19世紀末に新天地を求める人たちの移住先となった南北アメリカ大陸やオーストラリア、植民地として支配していたアフリカの一部などです。一番多いのがアルゼンチンの1.5百万人、次にアメリカ合衆国の70万人が続きます。
- イタリア語は、ラテン語から派生したロマンス諸語の一派。元は俗ラテン語（Sermo Vulgaris）と言ってローマ人たちが日常で使う言葉でしたが、ローマ帝国の崩壊によってそれぞれ独自の発展を遂げたのがロマンス諸語です。そのルーツを考えれば想像に難くないように、フランス語とは約9割、スペイン語とポルトガル語とは約8割、語彙が共通しています。
Photo by Clay Banks on Unsplash
2020年にようやく
イタリア語を話す上でとても大事なゼスチャー。いや、もはやイタリア語の一部ではないでしょうか。限りないほどあるゼスチャーの中でも君臨しているのが Pinched Finger。2020年にとうとう絵文字シリーズに採用されました。カラーは6つ。意味は「何が言いたいの！」「ふざけんなよ！」「what the fxxx!!!」ですので使用にはくれぐれもご注意を。
ITALIAMO編集部
