TBS「世界ふしぎ発見 地元っ子がご案内!イタリア・ローマ新発見!」をご覧になった方に強く印象に残ったミステリーハンターのダヴィデさん。流暢な日本語でイタリアのありのままを発信するローマっ子の素顔に迫ります。
ローマ出身の28才
A ダヴィデさん、初めまして。
Q 初めまして、今日はありがとうございます。ローマに生まれローマに育ったダヴィデです。父はナポリ人なので生粋の南部人になります。
子供の頃 写真提供 ダヴィデさん
A いつもインスタグラムで拝見していますが、活動内容全般について教えてください。
Q 日本人に向けて、イタリアに関する情報発信および観光・語学関連のサービス「イタリアへ行きたい!!」を提供しています。大学を卒業して、当時は日本に行って働きたかったのですが、ビザの取得などなかなか難しかったりしました。そこで YouTube や Instagram を使いながら、ガイドに乗っていないイタリアの魅力を紹介する日本むけのコンテンツサービスを始めました。
コロナ禍が起きる前は、写真を撮りながら観光客のアテンドをするという観光中心のサービスでしたが、現在はオンラインツアーを行ったり、観光だけでなくイタリアの文化、社会、日常など、いいところも悪いところも含めたイタリアの魅力を伝えていくという方向に変更しました。というのは、本当のイタリアを知った上で旅行をしたら、もっといい旅行体験ができると思ったからです。
ローマの街で 写真提供 ダヴィデさん
ミステリーハンターの仕事は、Instagramのフォロワーさんから募集していることを教えてもらったんですよ。僕が日本語ができるようになったのはテレビのおかげだし、自分のサービスを提供する上でどうやって番組を作っているんだろうということに興味もあり、応募しました。コロナで予定がずれ込みましたが、先日放映されました。
世界ふしぎ発見!の番組公式ホームページはこちら
日本に恋をした大学時代
A 日本とのご縁には、何かきっかけがあるのでしょうか?
Q イタリアにある日本の映画、アニメ、小説は元々好きだったんですが、大学一年生の時、当時付き合っていたイタリア人の彼女と別れたのが直接のきっかけです。ふと「日本語やろうかな」と思いついて始めました。
大学では世界史を専攻しながら、それ以外の時間は全て日本語の勉強。友達の誘いも断って、イタリアに住みながらも日本に住んでいるかのような生活を送る努力をしていました。自然な日本語を身に付けたくて、テレビドラマを字幕なしで見て、小説を読んで、音楽を聞いて。当時は日本に住んで働きたいと思っていたから必死でした。
イタリアと日本の違うところに惹かれたんです。例えば時間を守るとか、街が綺麗とか、そんな日本に恋をしたんですね。日本に没頭したせいで犠牲にしたこともあるけれど、後悔はしていないです。この時の努力が今の活動につながっていて、日本には感謝の気持ちでいっぱいです。
大学時代、カタカナ練習中 写真提供 ダヴィデさん
日本にきたら古本屋めぐり
A 日本に実際にいらしたことはあるんですか?
Q 合計3回あります。5年前の2016年に、大学の卒業論文を書くために東京に2ヶ月滞在したのと、2年前に大阪に2回、それぞれ1週間ずつ行きました。いつかもっと長期で滞在して、昔ながらの雰囲気のある小さい街に行ってみたいです。
これまで行った時は、神保町に行って古本屋めぐりしたり、Bookoff をまわったり。大阪なら新世界が好きです。映画も音楽も古いものが好き。
音楽は日本のものしか聞かないんです。何を聞こうかなぁと YouTube で探していたら、アルゴリズム(※)のおかげでたどり着いたのが1980年代の日本の曲。荻野目洋子さん、山下達郎さん、沢田研二さん、竹内まりやさんなどにはまって、レコードも40枚ほど持ってます。全部日本で買って持ち帰りました。重かった!
※SNSなどのアルゴリズムでは、現在視聴している番組の関連動画がどんどん抽出され紹介される
ダヴィデさんのレコードコレクション 写真提供 ダヴィデさん
A イタリアでは日本のコンテンツは人気がありますよね。
Q 15年くらい前のデスノート人気の頃から、日本のものが身近になってきました。昔は和食と言ったら本格的なお店しかなかったけれど、今ではSUSHIは手軽にどこでも食べられます。僕がずっとお気に入りの 1980年代の日本の曲も、2年ほど前から流行り始めたんですよ!
改めてイタリアに恋した、これから
A ダヴィデさんのこれからは?
Q 日本人の方に、もっとイタリアに来て欲しいし、イタリアを好きになって欲しい。今までの旅行社やメディアのあり方とは違って、フィルターのないありのままのイタリアの情報発信を続けていきます。
いいところも悪いところも含めて、その国の魅力です。僕は日本に恋をして、そして、今はイタリアに恋をしています。
大きな街だけでなく、小さな街にもっともっと行って欲しいです。ガイドなしではそんなところに行けないよ、って思う方もいらっしゃると思います。でも好みに合わせた旅行の方が楽しいし、自分だけの思い出が出来ます。
現代に生まれたからこそ、独学で日本語も学べたし、情報発信も簡単に出来る時代。10年後には自動翻訳機ができて、旅の仕方も変わっていくと思います。その日に向けて、今の活動をベースに、経験を積み上げていきたいです。
ローマの街にて 写真提供 ダヴィデさん
ダヴィデ・マヌフレーヴォラ氏 プロフィール
1992年ローマ生まれ。
子供の頃から読書やゲームなどで現実にない世界を想像するのが大好きな28歳のイタリア人。
20歳大学1年生の時、元彼女と別れて独学で日本語を勉強し始めました。
ひたすら字幕なしでドラマを見たり、本を読んだりして、日本の夢を見ながら割と地味な大学生活を送った私ですが、卒業後「イタリアへ行きたい!」というチャンネルでユーチューブでの活動を開始。
現在、ユーチューブやインスタなどでイタリア旅行に役に立つ情報を毎日発信しております。この1年半で培った経験を活かしながら普通のガイドブックに載ってないイタリアの見所を皆さんにもご紹介したいです!
イタリアへ行きたい!!
編集後記
大勢の集まりが苦手で2-3人での会話を好むというダヴィデさん。そうは感じさせない人当たりのよさ、そして、会話から感じる知性と熱い想い。古いものを愛しながら、テクノロジーを普通に使いこなすミレニアル世代。これからのご活躍をますます応援しています!
ITALIAMO編集部