イタリアにはいくつの警察があるかご存知ですか?街角でよく見ると、パトカーの色や制服のデザインに複数の種類があるのに気づきます。彩り豊かなイタリアの警察、頼りになるのは誰!?
イタリアのパトカーはランボルギーニ?
ヴェニス近くのパドヴァからローマまでの約500キロをおよそ2時間で走行し、緊急の移植用臓器を届けたニュースが話題になっています。はい、そうなんです。このパトカーはランボルギーニ、通常の警察業務に加え輸血用血液や臓器などの緊急搬送に使用するために導入されました。
ランボルギーニ 「ウラカン」の警察用モデル「ポリツィア」というもので、イタリア警察の公式カラーであるポリス・ミディアムブルーと白が使用され、ボディーの両サイドにはイタリア国旗の3色のストライプがあしらわれています。
(Polizia dei Stato 公式Instagramより)
たくさんあるイタリアの警察組織
さて、イタリアの街でパトカーや警察の制服を見ていると、様々なデザインがあることに気付きます。実はイタリアには数種類の警察があって、それぞれ所属官庁や役割が異なります。
まず第一は、国防省が管轄するカラビニエーリと呼ばれる軍警察。陸軍、海軍、空軍に次ぐ4つ目の軍隊として位置付けられており、警察官の身分は軍人です。国家の治安維持だけでなく、国際紛争や平和維持活動にも投入されます。濃紺色に赤い線の入ったユニフォームに肩から白いショルダーストラップをかけた姿で街を見守っている姿は、かっこいいと評判です。
追記 : 日産自動車の100%電気自動車の「リーフ」が52台、カラビニエリのパトカーとして供給されることが発表されました。国立公園や自然保護区などの巡回警備に用いられるとのこと。
(Arma dei Carabinieri 公式Instagramより)
第二に内務省が管轄する国家警察(Polizia di Stato)。日本人が持つ警察イメージに最も近いのがこちらでしょうか。ランボルギーニパトカーを所有するのもこちら。また、イタリアに長期滞在した人なら滞在許可の取得などで誰でもお世話になる「クエストゥーラ」もこちらです。背中にPOLIZIAと書いてあるのですぐわかります。
(Polizia dei Stato 公式Instagramより)
第三に、経済財務省の管轄下で、経済犯罪・脱税・密輸・麻薬取引などを捜査するのが財務警察(Guardia di Finanza)。筆者はまだお目にかかったことはありませんが、空港などで見かけているかもしれませんね。
(Guardia di Finanza 公式Instagramより)
また第四に、司法省管轄の監獄警察(Polizia penitenziaria)があり、これらの国家管轄による警察組織は合計4つ!
これに加え、県や市町村が管轄するそれぞれのローカル警察が存在します。
ローカル警察のパトカーには、LOCALEと書いてあります。こちらはフェラーリ!
カラビニエーリにまつわる逸話
筆者は以前、公園でお財布の盗難に遭ったことがあるのですが、その時たまたまカラビニエーリが近くにいたので助けを求めたところ「警察に行け」と言われました。そして警察の場所を聞くと「知らない」と。サルディニア王国騎兵隊にルーツを持つ彼らの、警察ではなく軍人であるというようなプライドの高さをみた瞬間でしたが(※)一方で色々なジョークのネタになっている市民に愛される存在でもありますので、いくつかのネタをご紹介します。
※人によると思いますので、困った時は誰にでも助けを求めてくださいね。
“カラビニエーリに関するジョークって幾つあるの?”
“実は少しだけだよ、なんてたってほとんど実話だからね”
カラビニエーリがバーに入って、外にいる仲間に声をかけた “中に入りなよ、雨が降っている”
“何のために?ここも雨降ってるよ!”
“司令官、ジョセフという片腕の男を知っていますか?”
“いや… 知らない… もう一つの腕の名前は?”
“潜水艦を沈めるのに必要なカラビニエーリの数は?”
“二人です。外側からドアをノックする人と、内側からドアを開ける人”
片目を閉じたカラビニエーリがもう一人に聞いた ”アントニオ、この l’Attak (接着剤)って目薬?”
もう一人が歯を食いしばり ”いや、歯磨き粉だよ”
ITALIAMO編集部