アモーレの国イタリア。英語で「ダーリン」「ハニー」「ベイビー」と言うように、ここ愛の国イタリアでは恋人のことを何と呼び合っているのでしょうか。イタリア語のバリエーション豊かな愛する相手への呼びかけ。今回は、定番の7つの呼び方をご紹介していきます。
アモーレ
まずは定番中の定番、「アモーレ(amore)」。アモーレとは直訳では「愛」という意味、そのままです。愛しい人を呼ぶ時に使うというわけです。この言葉はカップル間だけでなく、親が子供を、祖父母が孫を呼ぶ時などにも使われます。イタリアにいると、道を歩けば子供を「アモーレ!」と呼ぶ親がおり、店に入れば「アモ~レ❤」と呼び合う恋人達がおり、どこに行っても必ず耳に入る言葉です。
テゾーロまたはテソーロ
アモーレの次にといえば、よく使われるのは「テゾーロ(tesoro)」。「宝物」という意味で、自分の宝物のように大事な人に使いたい、自分のかけがえのない宝物のように大切に扱いたい、ということです。この言葉は仲の良い女性の友人同士に使われることもあります。愛ならまだ分かりますが、宝物と呼ぶなんて素敵な言い回しだなと思います。
ベッロ/ベッラ
それからよく聞くものとしては、これも定番、「ベッロ(bello)」「ベッラ(bella)」(イタリア語では男性名詞・女性名詞があるため、相手が男性であればベッロ、女性であればベッラと呼び分けます)。「美しい」という意味です。軽い「今日も綺麗だね~」のノリのようなものでしょうか、「ベッロ❤」と呼びかけて、「どうしたのベッラ❤」と返ってきたりするわけです。
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カーロ/カーラ
ベッロの次にご紹介するのは、「カーロ(caro)」「カーラ(cara)」。「かわいい」「いとしい」という意味です。この言葉は友人間で使うこともしょっちゅう。イタリアは積極的に相手を褒めあう文化がありますからね。異性の友人同士では、ベッロやテゾーロよりカーロの方が軽くて使いやすい気がします。派生して、ほんとかわいい、の意味で「カリッシモ(carissimo)」「カリッシマ(carissima)」という表現もよく聞きます。
ピッコロ/ピッコラ
この言葉もよく耳にします。「ピッコロ(piccolo)」「ピッコラ(piccola)」。「小さな」という意味があり、英語でいうベイビーにあたるものでしょうか。僕の/私のちっちゃな恋人……というわけで、イタリアでの恋人関係というのはスウィートですね。これも派生して「ピッコリーノ(piccolino)」「ピッコリーナ(piccolina)」と変化し、ちっちゃなちっちゃな、という意味になります。
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クッチョロ/クッチョラ
これまでご紹介した五単語よりは頻度は下がりますが、これも一般的。「クッチョロ(cucciolo)」「クッチョラ(cucciola)」という、日本語で言えば「子犬ちゃん」「ワンちゃん」のようなものでしょうか。これまた恋愛らしい甘い表現ですね。これには、「クッチョリーノ(cucciolino)」「クッチョリーナ(cucciolina)」「クッチョロット(cucciolotto)」「クッチョロッタ(cucciolotta)」といった発展形もあります。
チッチ
この単語、「チッチ(cicci)」は日本人的には不思議な言葉です。「チッチャ(ciccia)」から派生しているのだと思うのですが、チッチャが「お肉」という意味で、少し省略された「チッチ」は「お肉ちゃん」とでも訳せばいいのでしょうか。さらに「チッチェッタ(ciccetta)」という形もあり、これも「お肉ちゃん」のようなものですね。なぜお肉と呼ぶのか、それが言われて嬉しい言葉なのか、よく分かりませんが、もう元の言葉の意味などそれ程関係ないのかもしれないですね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?以上の定番の他に、パタティーナ(お芋ちゃん)、アンジェロ/アンジェラ(天使)、キッカ(飴ちゃん)など、本当にたくさんの呼び方が存在します。二人だけの時に使う言葉と、みんなの前で使う時で使い分けたりもします。日本は恋愛は隠すものといった文化がありますが、愛の表現が多様なイタリアの恋人達を真似して、たまには恋人同士で甘く呼び合ってみるのはどうでしょうか?
この記事を書いた人
Kaho
2013年よりローマで暮らし、絵画修復学校を卒業。修復家、古美術商アシスタント、デザイン関係、料理人などの仕事をする。好きな芸術家はミケランジェロとエゴン・シーレ。ジャズクラブが大好きで毎晩通いたい。心がちょっと豊かになるような記事を皆様に発信していきたいです。
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