イタリア語、初級を終えたら?
入門者・初級者向けの教科書や映像はたくさん見つかりますが、中級者となってくると書籍も減り、どう勉強していけばいいのか分からなくなる方も少なくないと思います。かといって新聞など完全にイタリア人向けのものを読むのもつらく、読んでみても果たして勉強になっているのかなっていないのか……。語学勉強は、自分のレベルと照らし合わせて勉強を進めていくことが大事です。
今回は、イタリア語B2レベル程度で、独学している筆者が、自分の経験を踏まえ、さらなるレベルアップを目指して読んでいる本をご紹介します。
ロンリープラネット 〜旅行案内から見ていこう〜
ロンリープラネット、言わずと知れた定番旅行案内本。地球の歩き方の海外版のようなものでしょうか。筆者はローマに住んでいるのでイタリア語で書かれたローマ版を買って、読み進めています。なかなか面白いです。
留学先や行きたい街や国、将来住みたい所などをイタリア語で買って、興味のあるところ、例えば観光が好きなら観光ページから、料理が好きならレストラン情報から、読んでいくのはどうでしょうか。語学力も上がり、実用的な知識も増えて一石二鳥です。住む場所/旅行する場所の情報を現地の言葉で持っていると、住みやすい、また旅行しやすいですし、悪いことは何もありません。
イタリア人の子供向けの辞書 ~まずは子供に向けたものを~
恥ずかしながら、子供向けの辞書を買いました。語彙が少ないので、引いても載っていない言葉がたまにあります(この辞書に載っていない時は普通の辞書で引きなおしましょう)。しかし、子供にも分かるように平易に説明してくれるこの辞書、大変勉強になります。辞書を引くというより、辞書を読んで覚える、という形で勉強しているのに近いです。時間があったら全部読みたいですね……。また、二色刷りで、これが地味に見やすくて良いのです。
イタリアの中高生向けの教科書 ~年齢を上げてレベルアップ~
筆者がイタリアで美術の学生を始めた頃、美術史の授業についていけずに自力で編み出した勉強法です。イタリア人の中学生・高校生が実際に美術史の授業で使っている本を手に入れましょう。古本屋で探す他、友達の兄弟のお古をもらうなどでもいいでしょう。新しいものが欲しい方は、小さな書店では教科書は置いていないですが、大きな書店では扱っているので探してみましょう。平易な表現で簡単な単語を使い、カラーで、図解もあり、大変分かりやすいです。
筆者にとってはここに載せたItinerari di Arte……が一番のお気に入りで、他にも何冊か美術史の教科書を持っています。ルネサンスが好きならルネサンスだけを扱っている教科書もあったりします。要するに、自分の専門分野と被る教科書を買い、読んでみましょう。
「中級へのイタリア語文法」 ~文法も勉強しよう~
勉強している人にとっては必須、有名でしょう。初級者向けの文法書が終わったらこれに続けば間違いはないのではないでしょうか?初心者向けの文法の部分はとばされています。直接目的語・間接目的語代名詞といった基礎ながらも間違えやすいトピックや、全ての過去形、条件方、接続法など、難しい文法について何項も挙げて執筆されています。また、練習問題がたくさん載っています。中級レベルでのこういった本は、意外とないのではないでしょうか?初心者レベルが終わってきた方には、とりあえず購入をお勧めします。
「現代イタリア文法」~さらに文法を学びたい方へ~
「中級へのイタリア語文法」をやってみても、まだ疑問が残る方へのおすすめはこちら。
イタリア語を勉強している人にとっては言わずもがな、坂本鉄男先生執筆の文法書です。坂本先生といえば辞書でしょうか?文法書も出してらっしゃいます。初心者向けの、一通りの文法が載っている本を読んで、「で、ここはどうなの?」等疑問に思った時にこの本を開くと全て細かく解説されているという、かゆい所に手が届く素晴らしい本です。日本語でイタリア語の文法についてこれだけ分かりやすく詳細に説明されている本って他にあるのでしょうか。練習問題の掲載はなく、ひたすら文法について説明されている、とてもストイックな本です。
イタリア語のイタリア語文法書B2レベル ~イタリア語でも文法を~
最後にご紹介しますのは、イタリア語で文法を勉強する本。ご紹介した「中級へのイタリア語文法」が、イタリア語で書かれていて練習問題がさらにたくさん記載されているような本です。文法説明の部分が簡潔なのはいいですがちょっと少ないので、他の本で文法を補って理解してからこの本に移って練習問題を沢山解いて慣れる、というのがいいと思います。
この本はたまたま友人に勧められたもので、なかなかいいなと思うのでご紹介しますが、要するに似た他の本でもいいわけです。Grammatica, italiano……等で検索するとたくさん出てきます。イタリア語だけで解説された文法書で勉強することも必要だと思います。
おわりに ~中級者は、自分の専門分野を読んでいくのがいい~
中級者は、自分の興味のある分野・必要な分野を読むのがおすすめです。また、すでに日本語で学習をある程度している分野を読んでいくのも大事だと思います。
語学学習には時間が必要ですが、語学ばかりに時間を割いているわけにもいかない生活なら、語学を学びながら自分の専門分野も同時に伸ばしていくのもありです。芸術関係者なら芸術の本を、料理人なら料理を、ファッションデザイナーならファッションを。語学を学んだあとに(実際語学を学び終えることなどありえないのですが)専門分野をやろうと思っているなら、語学学習中に学び始め、専門用語を頭に入れていく方が速いです。
今回は、中級者向けのおすすめ6冊と、勉強の進め方について書いてみました。参考になる所はありましたでしょうか?今後も学習についての情報をシェアしていきたいと思います。
この記事を書いた人
Kaho
2013年よりローマで暮らし、絵画修復学校を卒業。修復家、古美術商アシスタント、デザイン関係、料理人などの仕事をする。好きな芸術家はミケランジェロとエゴン・シーレ。ジャズクラブが大好きで毎晩通いたい。心がちょっと豊かになるような記事を皆様に発信していきたいです。
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