夕食前のひととき、夕陽を楽しみながらゆっくりと家族や友人と時を過ごす「アペリティーボ」は、美味しい・楽しい・満腹になるイタリアの習慣です
アペリティーボの歴史
アペリティーボの歴史は紀元前 5世紀にさかのぼり、イタリアではなくギリシャで生まれました。ギリシャの医師ヒポクラテスが、白ワインにハーブを混ぜたものを患者に与えたところ、食欲が回復したのが始まりです。時は流れ 15-17世紀頃の大航海時代、長期間の旅にも耐えられるようアルコール分を強め保存と運搬に耐えるお酒を作るなかで、ピエモンテ州トリノでのベルモットというフレーバードワインの誕生につながります。サルデーニャ王国の最後の国王でありのちイタリア王国の初代国王となったヴィットーリオ・エマヌエーレ2世はこれを気に入り宮殿の公式な飲み物としたことで、徐々に各地のカフェなどで提供されるようになりました。やがて、20世紀の終わりになり、夕食前の時間帯にゆっくりと飲み物を楽しむ現代のスタイルが定着しました。
ミラノ大聖堂を眺めるテラスで一杯! Photo by Italiamo
ミラノのおすすめアペリティーボができるバー
Terazza Duomo 21 https://terrazzaduomo21.it
プールサイドで一杯! Photo by Italiamo
ミラノのおすすめアペリティーボができるバー
Ceresio7 https://www.ceresio7.com
アペリティーボの楽しみ方とアペリチェーナ
イタリアのアペリティーボは午後の 6時か 7時頃から始まり、食事の始まる時間の 9時頃まで続きます。10ユーロ前後で好みの一杯を頼むと、スナック、フォカッチャ、生ハム、オリーブなどのおつまみと共に提供されます。また、ブッフェスタイルで、おつまみに加えサラダ、パスタ、デザートなど並べる店も多くあり、それで十分お腹が満たされてしまうことから、アペリチェーナ(チェーナ CENA はイタリア語のディナーのこと)という言葉も生まれました。ヨーロッパの夏は日の暮れるのが 9時頃と遅く、テラス席などで夕暮れを楽しみながら、友人や同僚と過ごす時間はとても気持ちの良いものです。
オススメのドリンクで簡単アペリティーボ
ワイン、ビール、カクテルなど、好みのものを自由に楽しめば良いアペリティーボですが、イタリアの街に合うのはなんといってもアペロールスピリッツでしょう。現地ではスピリッツといえば通じます。オレンジとハーブから作られるカンパリをやや甘くしたようなアペロールというリキュールと、ベネト州のみで作られる白のスパークリングワイン プロセッコ、そしてスパークリングウォーターを同量ずつ加え、好みでオレンジスライスを加えたら出来上がりです。
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ITALIAMO編集部