イタリアでおいしい牛肉を食べるためには、まずどんなイタリアのブランド牛 が存在し、イタリアの肉屋でカットされるそれぞれの牛肉の部位や、その料理法を把握する必要があると思いませんか?イタリアの牛肉事情をご紹介しましょう。
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ホテル滞在もよいけれど、個人宅をレンタルできる滞在スタイル、バケーションレンタルを容易に選択できるようになった昨今。個人宅泊の醍醐味の一つとも言えよう、その土地の食材を自分の好みに調理することができる、キッチンの存在は大きいのではないでしょうか。そんな新しい旅形態の楽しみのためにも、イタリアのブランド牛をご紹介しましょう。
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キアーナ牛 "Chianina : キアニーナ"
キアーナ牛はアレッツォとシエナを中心とした中央イタリア(ラツィオ州、トスカーナ州、ウンブリア州)に、2000年以上前からすでに存在していた古代品種です。このイタリア名キアニーナという名は、アレッツォのヴァル ディ キアーナ(キアーナ渓谷)に由来します。
イタリア中部の先住民、エトルリア人やローマ人は、その白い様相から神々への犠牲として、16世紀には、初期フットボールの一種カルチョ・フィオレンティーノの勝者への賞品として、現代では、シエナ伝統行事パリオの優勝旗を載せた荷台を引くのはキアーナ牛であり、常に実用的に使用されてきました。
またフィレンツェ名物Tボーンステーキ"ビステッカ アッラ フィオレンティーナ"は、このキアーナ牛が使用され、美食イベントでは、6月最後の週末にはアレッツォのセスティーノで、毎年8月にはコルトーナで"キアーナ牛ステーキフェスティバル"が開催されています。また日本には2017年より、このキアーナ牛が輸入されるようになったようです。
肉質はきめ細かい低脂質の赤身が売りで、ヘルシーでありながら旨味を兼ね備えています。品種的に世界最大級の体格ですが、その中でもより大きいものは脂身の霜降りが現れます。
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ピエモンテ牛/ファッソン牛 "Piemontese/Fassone(Fassona) : ピエモンテーゼ/ファッソーネ(ナ)"
古代品種のピエモンテ牛/ファッソン牛は、イタリアではピエモンテ州のアスティ、クネオ、トリノが飼育の中心ではありますが、現在ピエモンテ州以外のイタリア各地や、海外(特にアメリカや北米)でも広く飼育されています。見るからに筋肉質なピエモンテ牛ですが、ファッソーネ/ファッソーナの別名は、ピエモンテ州の方言で、先天性の筋肉過形成を示す"dla fasson"、フランス語の"façon"に由来しています。このピエモンテ牛/ファッソン牛も、2018年より日本に輸入開始しているようです。
肉質は、キアーナ牛よりも低脂質でありながら柔らかく、コレステロールの低いヘルシーな赤身肉です。
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ロマーニャ牛 "Romagnola : ロマニョーラ"
ロマーニャ牛も、非常に古い起源を持っており、ウクライナのポジーリャ地域にある、中央東ヨーロッパの草原から来た、大きな角のある牛の祖先オーロックスに由来します。とはいってもキアーナ牛に比べて小さめ体系の品種です。名前からもわかるようにロマーニャエリア(※)で広く飼育されています。
肉質は、全体的に適度な霜降りと柔らかさがあり、特にリブロース部位にはしっかりと脂質を含み旨味をもちます。
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(※)ロマーニャエリア
エミリア・ロマーニャ州のラヴェンナ県、フォルリチェゼーナ県、リミニ県とボローニャ県の一部自治体とフェラーラ(アルジェンタの一部)と、マルケ州のペザロ県、ウルビーノ県の5つの自治体、と9つの自治体の一部、トスカーナ州のフィレンツェ県の一部自治体とアレッツォ県の一部自治体、サン マリノ共和国を含めたゾーンです。
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マレンマ牛 "Maremmana : マレンマーナ"
マレンマ牛は、小アジアから東欧を渡り、アルプス山脈とアペニン山脈を越えやってきたインド・ヨーロッパ種に由来しています。この牛も名前の通り、マレンマエリア(※)で飼育されています。
肉質は、キアーナ牛より柔らかく、適度な脂質と、野生のハーブを食べて育つため強い風味のある赤身肉が特徴です。
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(※)マレンマエリア
グロッセト県を中心に、トスカーナ州とラツィオ州にまたがる沿岸と、沿岸に並行して走る丘陵までの南北に長いゾーンです。
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ポジーリャ牛 "Podolica : ポドリカ"
ポジーリャ牛は、ウクライナのポジーリャ草原(Podolia)より、4世紀頃フン族またはローマ人とともにイタリアへ渡ってきたことに由来します。寒さに強い品種で、主に南部の内陸部(アブルッツォ、バジリカータ、カラブリア、カンパニア、モリーゼ、プーリア)で飼育され、冬は低地の森、それ以外の季節には800m以上の山岳部に移動します。
肉質は、この品種の特有の風味と筋肉の色ムラ、黄色がかった脂肪があり霜降りが散在します。深い味わいと弾力、コレステロールが少なく、オメガ3脂肪酸が豊富と栄養価の高い赤身肉です。
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マルケ牛 "Marchigiana : マルキジャーナ"
マルケ牛は、改良されていないポジーリャ牛とキアーナ牛の交配の後、ロマーニャ牛との交配を終え、19世紀に改良された比較的新しいマルケ州の品種です。
肉質は、脂肪少なめですが適度な霜降りを伴う、きめ細かいピンク色のジューシーな赤身肉です。
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さいごに
イタリアのブランド牛は、柔らかく旨味のあるジューシーな赤身肉が持ち味。分厚くカットし、外はこんがりカリっと、中はしっとりのステーキは、イタリアでも代表的な一皿です。若い時に好んで食べていたカルビから、歳を重ねるうちに遠のいているような、気づかぬうちにハラミを選んでいるような、そんな人にはイタリアのブランド牛は、とってもおいしく感じられるはず。日本にも輸入され始めたイタリアブランド牛が、食卓に並ぶ日も近いのではないでしょうか。
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この記事を書いた人
Jeera
2008年よりイタリア在住。ミラノ、サンタマルゲリータリグレ(リグーリア州)、カナゼイ=カナツェーイ(ドロミテ山脈、南チロル)の3都市より、イタリアの気になる楽しいおいしい情報をお伝えします♪
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