サンレモ音楽祭とは、毎年この季節にリグーリア州サンレモ市で開催されるイタリアの国民的な音楽祭のこと。正式名を「Festival della Canzone Italiana di Sanremo」といいます。
サンレモ音楽祭とは
1951年に始まったサンレモ音楽祭は、リグーリア州のフランスとの国境に近い海沿いの街、サンレモ市のアリストン劇場で行われる国民的音楽祭。毎年2月に行われるのが恒例ですが、2021年はパンデミックの影響で、3月2日から6日の5夜にわたって無観客で行われました。
1960年代全盛期のような勢いはないものの、イタリアのニュースアプリをインストールしている筆者の携帯には「政治」「Covid-19」「サッカー」のニュースと共に速報でプッシュ通知がどんどんくるので、イタリア国民にとって重要なイベントであることは間違いありません。
会場のアリストン劇場
出場が決まったアーティスト達が音楽祭のために書き下ろした未発表曲をその場で発表・演奏し、審査員や一般投票によって順位を決めるというシステム。それが故にハプニングも多く、過去には「Ciao Amore Ciao」のパフォーマンスを酷評されたルイジ・テンコ(Luigi Tenco)が数時間後に自ら命を絶ったというような逸話もあります。
2021年も、初出場でラッパーのフェデツ(Fedez)が、この日のために作った曲をインスタグラムに事前にポストしてしまい(数分後に削除)、出場資格を取り消されるかどうか議論され、ことなきを得るというハプニングがありました。また、フェデツの妻で2千3百万人ものインスタグラムフォロワーを持つイタリアを代表するインフルエンサーのキアラ・フェラーニが、放映真っ最中にインスタグラムを通してフェデツへの投票を呼びかけたため、顰蹙を買うという事態も。
サンレモから生まれたヒット曲
サンレモ音楽祭からは有名なヒット曲がいくつも生まれています。特に有名なのが、1958年の優勝曲「Nel blu dipinto blu (Volare) by Domenico Madugno」。アメリカの第1回グラミー賞でも、ソング・オブ・ザ・イヤーとレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞。これによりサンレモ音楽祭の名も世界的に広まりました。何度も聞きたくなる名曲です。
また、伊東ゆかり、岸洋子といった日本人歌手が出場したこともあるんですね。
2021年の優勝曲は?
さてお待ちかねの 2021年優勝曲は?
見事 2021年の優勝を勝ち取ったのは、マネスキンの “Zitti e buoni”。ローマの中学校で知り合ったという4人組によるロックバンド。本勝利により、5月18日にオランダで行われるユーロビジョン・ソング・コンテスト(ヨーロッパ版音楽コンテスト)にイタリア代表として参加します。
2位 Francesca Michielin e Fedez – “Chiamami per nome”
次点は、フェデツがフランチェスカ・ミチェリンと組んだデュエット “Chiamami per nome”。二人は過去にも”Cigno nero” と “Magnifico” で組んだことがあります。上述のように妻キアラの呼びかけも力及ばず2位、いや及んだから2位だったのでしょうか!?
3位 Ermal Meta – “Un milione di cose da dirti”
“Non mi avete fatto niente” で 2018年の優勝を勝ち取った エルマル・メタによる “Un milione di cosa da dirti” が3位。
4位以下の全参加者は以下の通り(ランキング順)。リンクをクリックすると紹介文と歌詞を見ることができます。
- Colapesce e Dimartino – “Musica leggerissima”
- Irama – “La genesi del tuo colore”
- Willie Peyote – “Mai dire mai (La locura)”
- Annalisa – “Dieci”
- Madame – “Voce”
- Orietta Berti – “Quando ti sei innamorato”
- Arisa – “Potevi fare di più”
- La Rappresentante di Lista – “Amare”
- Extraliscio feat. Davide Toffolo – “Bianca luce nera”x
- Lo Stato Sociale – “Combat Pop”
- Noemi – “Glicine”
- Malika Ayane – “Ti piaci così”
- Fulminacci – “Santa Marinella”
- Max Gazzè e Trifluoperazina Monstery Band – “Il farmacista”
- Fasma – “Parlami”
- Gaia – “Cuore amaro”
- Coma_Cose – “Fiamme negli occhi”
- Ghemon – “Momento perfetto”
- Francesco Renga – “Quando trovo te”
- Gio Evan – “Arnica”
- Bugo – “E invece sì”
- Aiello – “Ora”
- Random – “Torno a te”
ITALIAMO編集部