日本では、子どものことを「〇〇ちゃん」「〇〇くん」と名前に「ちゃん」や「くん」付けで呼びますよね。子ども好きなイタリア人ですが、子どものことは、何て呼んでいるのでしょうか?
イタリア語で「赤ちゃん」は?
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まずは、イタリア語で赤ちゃんという単語です。
イタリア語で「赤ちゃん」は、「バンビーノ(bambino)」「バンビーナ(bambina)」。
イタリア語は、男性名詞・女性名詞があり、男の子だったら「バンビーノ」、女の子だったら「バンビーナ」です。
「バンビーノ」は、「赤ちゃん」という意味もありますが、広義で「子ども、少年」とだいたい6〜7歳くらいまでを指します。
また同じく「赤ちゃん」を指す単語に「ビンボ(bimbo)」「ビンバ(bimba)」という単語もあります。
アモーレ
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やはり1番の呼び方は「アモーレ(amore) 」です。直訳すると「愛、愛情」。
イタリアはアモーレの国。子どもは慈しみ愛される存在です。
自分の子どもにはもちろん、他人の子どもにだって「アモ~レ〜」と目尻を下げて、微笑んでいるおばあちゃん、おじいちゃんをよく見かけます。
ちなみに、子どもだけにではなく、恋人や夫婦間でも普通に使っています。
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テゾーロ/テソーロ
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自分の子どもは「テゾーロ・ミオ(tesoro mio)」つまり私の宝物!
日本でも「子は宝」と言いますよね。イタリア人は、日常的に自分の愛息子や愛娘に対して、堂々と使います。
日本のように謙遜という文化はありませんので、躊躇はありません
こちらの単語も、恋人に対して使うことも。
本当にイタリア人の愛に関する表現は、日本人からしたら赤面ものですが、イタリア人はこれが普通ですので、あまり驚きすぎないように。
ベリッシモ/ベリッシマ
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男の子なら「ベリッシモ(bellissimo)」、女の子なら「ベリッシマ(bellissima)」。
ベリッシモは、綺麗、素敵、カッコいいを意味する形容詞「ベッロ(bello)」の最上級です。
日本語でいうなら、「めちゃくちゃカッコいい/可愛い!」です。
イタリア人は大袈裟な表現が大好き。筆者は娘が「ベリッシマ」と言われることに、最初戸惑っていましたが、やがて言われ慣れ過ぎて、最上級の褒め言葉が当たり前になってしまいました。
プリンチペ/プリンチペッサ
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男の子は「プリンチペ(principe)」で王子様、女の子は「プリンチペッサ(principessa)」でお姫様。
この呼び方は、日本でもされている方がいるでしょうか。
可愛らしい子どもたちは、多少わがままでも可愛い「我が家の王子様/お姫様」かもしれませんね。
トッポリーノ/トッポリーナ
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「トッポリーノ(toppolino)」はねずみくん、「トッポリーナ(toppolina)」はねずみちゃんという意味です。
小さくて可愛いからでしょうか。
ちなみに、イタリアではミッキーマウスのことを「トッポリーノ」、ミニーマウスのことを「トッポリーナ」と呼びます。
「topo(ネズミ)」に縮小辞の「-ino、ーina」をつけて作られた言葉です。元の「ミッキー」からはだいぶ違って聞こえますね。
※イタリア語は、縮小辞といって、単語の末尾に-inoや-ettoなどを加えて、小ささを表す表現がたくさんあります。
また、動物の単語で子どもを呼ぶパターンは他にもあり、
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・プルチーノ(pulcino):ひよこちゃん
・マイアリーノ/マイアリーナ(maialino/maialina):子豚ちゃん
・クッチョリーノ/クッチョリーナ(cucciolino/cucciolina):子犬ちゃん
・ペショリーノ/ペショリーナ(pesciolino/pesciolina):お魚ちゃん
などもあります。
ひよこや子犬、子豚は、なんとなく理解できますが、お魚、という発想はイタリア独特なのでしょうか?驚きました。
ピッコリーノ/ピッコリーナ
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男の子は「ピッコリーノ(piccolino)」でおちびくん、女の子「ピッコリーナ(piccolina)」でおちびちゃん。
この呼び方は、日本でもよくしますよね。
「小さい」という形容詞はpiccolo。そこに、-ino、-inaの縮小辞をつけて、「おちびちゃん」と愛情をこめて呼ぶのです。
娘はこの呼び方をよくされていました。
バンボレッタ
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「バンボレッタ(bamboletta)」はお人形ちゃんです。この呼び方は男の子にしているところはあまり聞かないですね。
「人形(bambola)」に、-ettaという縮小辞をつけて「バンボレッタ」。
イタリアに住み始めたころ、いつも出会うお兄さんに、娘はこう呼ばれていました。
どういう意味だろう?、と当初頭の中は疑問符でいっぱいだったのですが、やがて単語の意味がわかり納得。
イタリア人の表現の豊かさに驚きました。
番外編 モストリーノ/モストリーナ
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「モストリーノ(mostorino)」は怪獣くん、「モストリーナ(mostrina)」は怪獣ちゃんです。
よく子育て中のお母さんが言いませんか?「うちのちっちゃい怪獣が・・・」と。
ローマの友人に「娘がモンスターみたいだよ」と話したところ、イタリアでも「mostro(怪獣)」に縮小辞をつけて、愛情と若干の皮肉をこめてこう言うよ、と教えてくれました。
ローマ以外ではあまり通じないかもしれないので、使う時は場所に気を付けて、と言われましたが、お転婆な娘を表現するには、この表現が一番しっくりくるかもしれません。
さいごに
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イタリアの子どもの呼び方、いかがでしたか?
知ってるよ、というものから文化の違いを感じるものまで様々だったのではないでしょうか。
筆者が思うのは、イタリアでは子どもに対して「謙遜(下げる)」ではなく「褒める(上げる)」表現が多いな、という事です。
日本には自分の息子に対して謙遜して「愚息」「ふつつかな息子」という表現が存在しますが、イタリアでそんな表現を使ったら、虐待とみなされる可能性さえあるのです。
イタリアでは、自分や他人の子ども問わず、褒めて褒めて褒めまくります。
そうやって育てられるからか、イタリア人は自己肯定感が強い人が多いですし(行き過ぎるとナルシストですが)、他人に愛を持って接する人が多いと感じます。
褒め上手なイタリア人。そのDNAは子どもの頃から育まれているのかもしれません。
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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