イタリアの長い夜を演出するサマータイム。今年が最後になりそうです。
まだまだ明るい夏の夜 9時 @サルデーニャ州カーリアリ Photo by Italiamo
日本とイタリアの時差は通常は8時間(日本が18時の時に、イタリアは10時)ですが、夏の間だけは 1時間ずれて 7時間となります(日本が18時の時に、イタリアは11時)。これは、イタリアが夏の間はサマータイムを適用しているため。3月の最終日曜日から 10月の最終日曜日がサマータイムとなり、時間を 1時間前倒しして運用します。2021年は今週末 3月28日がサマータイムへの切替日です。
ちなみに、イタリアではサマータイムのことを L’ora legale(legal time/法定時間)といい、標準時間のことを l’ora solare(solar time/太陽時間)と言います。
サマータイムを導入する理由としては、明るい時間を有効に使うことによって省エネルギーに繋がること、活動時間が増えることが経済活動の活性化につながることや余暇の時間が増えること、などがあります。これにより、元々緯度の高いイタリアの夏は夜の 9時頃まで明るく、子供たちが外で遊べるような環境が出来上がります。
ところが実際のところ、省エネルギーの効果は乏しく、健康に与える悪影響が大きいということで、EU市民の 8割が廃止を望んでいました。筆者自身は、iPhoneの時計が自動的に変わるなか、時間の変更に気付かぬまま時が過ぎていたわけなのですが、この 1時間の時差によって生活リズムが乱れ、それを調整するのに 1週間程度かかるという人が多いようでした。
こうしたことから、2021年を最後にサマータイムを廃止することが欧州連合で決定されたのが 2年前。したがって、今年が最後のサマータイムになりそうです。今後の動きについては欧州各国の足並みが揃っていないことから、例えば今後の時間については夏時間を基準とするのか標準時間を基準とするのか、陸続きの欧州で足並みが揃わない場合どうするのか、など未定となっています。
ITALIAMO編集部