犬好きの多いイタリアでは、大型犬から小型犬まで、さまざまな犬種を見かけます。イタリアでの人気犬種トップ5には入りませんでしたが、 日本の犬種では秋田犬がイタリア人好みのようです。そこで気になるのがイタリアの犬種、イタリア原産の犬種をご紹介しましょう。
イタリア生まれ犬種トップ8
癒しのワンコ、イタリアで人気の犬種は?では、イタリアで人気の犬を原産問わずご紹介しましたが、今回はイタリア原産の中から、8つセレクトしてみました🐶
Photo by globestyles.com
ボロニーズ(伊 Bolognese ボロネーゼ)
ローマ時代にはすでに存在し、フィレンツェのコジモ・ディ・メディチ(1389-1464)がベルギー貴族へ、エステ公がスペインの王であったフィリップ2世へ、と王侯貴族の贈り物として人気のあった小型犬ボロネーゼ。後述のマルチーズと同じ祖先とか。画家ティツィアーノやゴヤの作品の中にも登場しています。
Photo by Jeera
マルチーズ(伊 Maltese マルテーゼ)
避難所や港を意味するセム語の"Màlat"が名前の由来のマルチーズ。中央地中海の港町で倉庫や船に溢れるネズミ退治役として活躍していたようです。ジュゼッペ・ヴェルディの愛犬でも知られています。
Photo by caniegatti.info
ロマーニョ・ウォーター・ドッグ(伊 Lagotto romagnolo ラゴット・ロマニョーロ)
ラゴット・ロマニョーロは、オスメス共に10kgを少し越える小さめの中型犬。卓越した嗅覚をもつ世界的に有名なトリュフ犬です。そう、あの高級食材トリュフを見つける犬です。原種は、コマッキオの平原とラヴェンナの湿地帯や水上で、狩猟した鳥を回収する役目を担っていました。ちなみに日本で人気のプードルも水辺や沼地を得意とするウォータードッグです。
Photo by Jeera
ヴォルピーノ・イタリアーノ(伊 Volpino italiano ヴォルピーノ・イタリアーノ)
"ヴォルピーノ"が"小さなキツネ"を意味するように、口先がとがり、耳がピンと立った、キツネによく似たスピッツ系の小型犬種です。ミケランジェロ・ブオナローティ(1475-1564)の愛犬であったように、ルネッサンス期に流行していました。ヴィットーレ・カルパッチョの16世紀の絵画「Sant’Agostino nello studioスタジオのサンタゴスティーノ」に描かれていますヨ。
Photo by dogideas.net
Photo by it.wikipedia.org
ナポリタン・マスティフ(伊 Mastino napoletano マスティーノ・ナポレターノ)
見るからに強面なナポリタン・マスティフは、オスは60-70kg、メスは50-60kgの大型犬です。ローマ時代に闘犬や警備犬として飼育されていた、モロッサー系に由来します。南イタリアでは、何世紀にも渡り農場の番犬として活躍おり、現在でもナポリを中心に普及している犬種です。
Photo by rivistadiagraria.org
マレンマ・シープドッグ(伊 Cane da pastore maremmano abruzzese カーネ ダ・パストーレ・マレンマーノ・アブルッツェーゼ)
名前の通り、トスカーナ州とラッツィオ州にまたがるマレンマ地域とアブルッツォ州で使用されてきた大型の牧羊犬です。起源は中央アジアの古代犬にルーツがあり、ヨーロッパでは、やはりローマ時代には生息していたようです。移牧生活の長かったこの犬種は、室内より屋外を好みます。
Photo by amicidicasa.it
Photo by virtuquotidiane.it
チルネコ・デル・エトナ(伊 Cirneco dell’etna チルネコ・デル・エトナ)
チルネコの起源は古代エジプトまで遡ります。ナイル渓谷で飼育され、フェニキア人によってシチリア島エトナ山周辺に広まったという説が有力です。主に野生のウサギの狩猟を助けていたそう。グレイハウンドの仲間なので、体高は大型犬並みですが、体重は10kg前後ととってもスリム。紀元前9世紀、シチリア西部の古代都市セジェスタの銀貨に刻まれています。
Photo by deabyday.tv
Photo by httpanellomancante.blogspot.com
イタリアン・グレイハウンド(伊 Piccolo levriero italiano ピッコロ・レブリエーロ・イタリアーノ)
名前の"Piccolo=小さな"、"Levriero=グレイハウンド"が意味するように、オスメス共に最高でも5kgの小柄なグレイハウンドです。古代エジプトのファラオの宮廷にすでに存在する小型グレイハウンドの末裔という説もあります。紀元前5世紀以降イタリアに上陸し、何年にも渡って歴史上の多くの重要人物たちを魅了してきた、日本でも人気のある狩猟の達人です。
Photo by ioeilmioanimale.it
Photo by drviclasgaravatti.it
さいごに
とにかく歴史あるイタリア原産犬種が多いわけですが、大昔から、愛玩犬として、狩猟犬や牧羊犬として、活躍していたのですね。では我が国、日本の犬たちはというと、縄文時代の遺跡から出土している縄文犬を祖先とする、日本犬(秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬)が日本原産犬種の代表です。ちなみに日本犬は、国の天然記念物に指定されています。
日本でもすでに人気のある犬種から、まだ日本では見かけない犬種まで様々ですが、近々、犬を飼う予定のある方は、選択の一匹にイタリア原産犬種、いかがでしょうか。
この記事を書いた人
Jeera
2008年よりイタリア在住。ミラノ、サンタマルゲリータリグレ(リグーリア州)、カナゼイ=カナツェーイ(ドロミテ山脈、南チロル)の3都市より、イタリアの気になる楽しいおいしい情報をお伝えします♪
Jeeraの他の記事を読む