多くの日本人にとってイタリアは旅するところ。でも、もし住んでみたらどうなんだろう?そんな心の奥の疑問に答えるために住まいの価格を見てみました。
都市別ランキング
まずは東京を見てみよう
リクルート住まいカンパニーが2020年3月に発表した「首都圏新築マンション契約者動向調査」によれば、東京23区内の平均購入価格は6395万円で、平均専有面積は63.6平米、となっています。1平米あたり約100万円です。これをベンチマークに検証します。
もっともイタリアでは、63.6平米のアパートの間取りは1ベッドルームなど単身またはカップルなど向けで、子供のいる家族はもっと広いところに住んでいると想像してください。
※1平米あたりの2022年12月現在の市況を追記しています。
ミラノ(Comune di Milano)
ミラノの住宅平均購入価格は、1平米あたり 4,712ユーロ、日本円に換算すると約61万円(1€=130円換算とした場合、ソースはimmobiliare.it 2020年12月現在、以下同様)です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約3,900万円。東京23区内と比べて4割ほど低い値段です。
中でも最も高いのが、ドゥオモ大聖堂やデザインで有名なブレラ街のあるチェントロ地区。1平米あたり 9,366ユーロ、63.6平米のアパートの値段は、約7,700万円。
※1平米あたり 5,185ユーロ、日本円に換算すると約67万円で、2020年12月と比べて約10%上昇。
(比較のため、1€=130円換算としています。不動産価格のソースはimmobiliare.itで2022年12月現在、以下同様)
Photo by Italiamo
フィレンツェ(Comune di Firenze)
フィレンツェの住宅平均購入価格は、1平米あたり 4,006ユーロ、日本円に換算すると約52万円です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約3,300万円。東京23区内の約半分ですね。
チェントロ地区を抑えて最も高いのが、1平米あたり 5,013ユーロ、63.6平米のアパートの値段は約4,100万円するオルトラルノ(Oltrarno)。アルノの向こうを意味する、アルノ川の南です。フィレンツェの歴史的中心部の一部と、ピッティ宮殿、ミケランジェロ広場などがある、あのあたりですね。
※1平米あたり 4,060ユーロ、日本円に換算すると約53万円で、2020年12月と比べて約1%上昇。
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ローマ(Comune di Roma)
ローマの住宅平均購入価格は、1平米あたり 3,241ユーロ、日本円に換算すると約42万円です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約2,700万円。東京23区内と比べるとおよそ5分の2、ミラノと比べても3割ほど低い値段です。
最も高いのが、ローマの見所満載で世界遺産にも登録されているローマ歴史地区。1平米あたり 7,401ユーロ、63.6平米のアパートの値段は約6,100万円と、ローマ平均と比べると倍以上しますが、それでも東京を下まわります。
※1平米あたり 3,313ユーロ、日本円に換算すると約43万円で、2020年12月と比べて約2%上昇。
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ヴェネツィア(Comune di Venezia)
ヴェネツィアの住宅平均購入価格は、1平米あたり 3,015ユーロ、日本円に換算すると約39万円です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約2,500万円。これはコムーネ平均の数値で、観光で訪れるヴェネツィア本島対岸や離島も含みます。
想像に固くないように、最も高いのはヴェネツィア本島のサンマルコ広場、リアルト橋のある中心部。1平米あたり 5,596ユーロ、63.6平米のアパートの値段は約4,600万円。
※1平米あたり 2,956ユーロ、日本円に換算すると約38万円で、2020年12月と比べて約2%下落。
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ナポリ(Comune di Napoli)
ナポリの住宅平均購入価格は、1平米あたり 2,743ユーロ、日本円に換算すると約36万円です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約2,300万円。
ナポリの海を望むポジリッポ、マレキアーロ(Posillipo, Marechiaro)地区が高く、1平米あたり 4758ユーロ、63.6平米のアパートの値段は約3,900万円。
※1平米あたり 2,706ユーロ、日本円に換算すると約35万円で、2020年12月と比べて約1%下落。
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トリノ(Comune di Torino)
トリノの住宅平均購入価格は、1平米あたり 1,851ユーロ、日本円に換算すると約24万円です。住宅のサイズが東京23区内と同じ63.6平米とすると、約1,500万円。自動車産業が盛んなフィアットの企業城下街ですが、他の大都市と比べるとだいぶ低い価格です。東京23区と比べると4分の1以下。
最も高いチェントロ地区でも1平米あたり 3,525ユーロ、63.6平米のアパートの値段は約2,900万円。
※1平米あたり 1,926ユーロ、日本円に換算すると約25万円で、2020年12月と比べて約4%上昇。
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おまけ(有名リゾート)
ジェノヴァの南にある風光明媚な海岸地区ポルトフィーノ(1平米11,930ユーロ、約155万円)、トスカーナの高級ビーチ フォルテディマールミ(1平米8,024ユーロ、約104万円)、アルプスの麓で2026年冬季オリンンピックを予定しているコルティナダンペッツォ(1平米11,194ユーロ、約155万円)と、ミラノの歴史地区をも上回ることになりました。やはり人気のエリアは値が張ります。
※ポルトフィーノ(1平米9,710ユーロ、約126万円)2020年12月と比べて約19%下落。
※フォルテディマールミ(1平米8,288ユーロ、約108万円)2020年12月と比べて約3%上昇。
※コルティナダンペッツォ(1平米10,500ユーロ、約137万円)2020年12月と比べて約6%下落。
ポルトフィーノ Photo by Italiamo
まとめ
いかがでしたか?
イタリアの都市における住宅は、東京と比べて安価で買えるんですね。絶対的に安いのかと言われたら決してそんなことはないですし、中には東京よりは値がはるものもあります。でも、あの歴史的な地区に東京とそう変わらない値段で家が買えると思うと、そんなに高くない気もします。
リモートで仕事のできる時代、移住先は国内とは限りません。イタリア、いかがですか?
ITALIAMO編集部