バローロだけじゃない!毎日楽しめるピエモンテの豊富なラインナップ
2000種あるというイタリアのぶどう
イタリアワインの特徴の一つはその多様性でしょう。古代ギリシャ人が「エノトリア・テルス(ワインの大地)」と名付けたように、もともとワイン造りに適しているイタリアの大地ですが、この多様性が生まれたのにはいくつか理由がありました。
- 1861年にイタリア王国として一つの国に統一されるまで、各地に独立した小都市国家があったこと。それぞれに歴史的背景や異なる文化を持ち、それぞれの地で多様なブドウ品種が生育され、独自の発展を遂げた。
- 多彩なテロワールがあること。北部国境にはアルプス山脈、半島を南北に走るアペニン山脈。半島を囲むティレニア海、アドリア海、イオニア海。そこに注ぐポー川やアルノ川、さらにアルプス山麓の湖水地方などの水源。パダーナ平野を筆頭とする平野部の農業地帯。
- 地産地消が根付いているため、マイナーな品種であってもその地で消費され、その地のものと組み合わせて(マリアージュして)さらに個性に磨きがかかることに。
イタリアの地図(左は州と主要都市、右はNASAによる航空写真ー山脈と平野、海がよくわかる)
食とワインの宝庫ピエモンテ
2006年冬季オリンピックでフィギュアスケートの荒川静選手が金メダルをとったトリノがあるピエモンテ。その州名がペデ・モンティス(Pede Montis)というラテン語『山の足』に由来するようにアルプス山脈の山麓に位置し、山岳・丘陵地帯が多く、夏は暑く冬は寒い大陸性気候です。ランゲ・ロエロ・モンフェッラートの丘陵地帯は世界遺産にも指定される美しい景観で、高貴なワインを多く生み出しています。
ランゲ地区 バローロ
ピエモンテを代表、いやイタリアを代表するワインはなんと言っても「王のワイン」の名を持つ「バローロ(Barolo)」でしょう。黒ぶどう品種のネッビオーロから造られる高級赤ワインで、ルビーの色をしていて強いタンニンと酸味を持ちます。長期熟成に向いた大変力強く男性的なワインです。3年以上の熟成義務があり、アルコール度数は13%以上と定められています。
どんなワインになるのかな〜
ランゲ地区 バルバレスコ
バローロから車で10分も行かない場所にある産地が、同じネッビオーロから造られる最高級赤ワインの一つ、「バルバレスコ(Barbaresco)」。バローロと比べてエレガントで滑らかさを持つことから、「イタリアワインの女王」と言われています。2年以上の熟成義務があり、アルコール度数12.5%以上と定められています。
美しい景観が続きドライブしているだけでワクワクする場所
また、ランゲ地区にはドルチェット(Dolcetto)、バルベッラ(Barbera)、ランゲ・ネビオッロ(Langhe Nebbiolo バローロやバルバレスコのDOCGでないネビオッロ)といったぶどう品種もあり、手ごろなワインとして楽しまれるだけだなく、高い品質を誇ります。
ガヴィ地区 ガヴィ
ミラノからバスで1時間、ジェノヴァからバスで45分ほどの距離にある有名アウトレット セラヴァーレ(Serravalle Designer Outlet)のすぐそばにあるのがスッキリした辛口ワイン「ガヴィ(Gavi)」の産地。コルテーゼという白ワインを100%使用していて、アペニン山脈からの雪解け水と、リグーリアの海からの風が遭遇するという条件が作り出す風味でDOCGに認められいます。ジェノヴァの郷土料理である魚介や鶏肉の料理と非常に相性が良く、和食とも相性が良いでしょう。
Gaviのワイナリーにて
アスティ地区 アスティ・スプマンテ
ランゲ・ロエロ・モンフェッラートの丘陵地帯の玄関口アスティにあるのが「アスティ・スプマンテ(Asti Spmante)」。スプマンテはイタリア語でスパークリングワインの意味なので、その名の通りアスティのスパークリングワイン。モスカート・ビアンコという白ブドウを100%使用したワインで、アロマティックで白桃のような果実味もあるジューシーさ。軽い口当たりでお酒やワインが苦手な方でも楽しめます。
初心者のためのイタリアワインの選び方は、格付編、生産地編(格式と自由が混在するトスカーナ)、生産地編(バローロだけじゃないピエモンテ)、生産地編(泡も白も赤もグラッパまであるヴェネト)、泡編がありますので、そちらも合わせてご覧ください。
ライター ITALIAMO編集部