2000種あると言われるぶどう、地域の特色の色濃いイタリアワイン。格付けの仕組を知ってワインを見分けよう!
イタリアのワイン法
イタリアワインを選ぶときの参考の一つになるのがワインの格付け。ワインの個性や品質を保つため、イタリアには「DOC法(原産地呼称管理法)」といわれるワイン法があり、4つの格付けが定められています。
また、ヨーロッパの国の間での呼称の統一性を持たすために、ヨーロッパ共通の別の3つの格付けが2008年以降に制定されました。こちらとの比較もふまえてまとめたのが以下となります。
格付けを図解するワインピラミッド(italianowine.comより)
イタリア格付 | ヨーロッパ格付 | 品質 |
DOCG
統制保証付原産地呼称ワイン |
DOP
保護原産地呼称ワイン |
少なくとも5年間DOCのカテゴリに属するワイン。審査、化学・物理検査が商工会議所及び農林省によって行われたもの |
DOC
統制原産地呼称ワイン |
生産地、栽培方法、ブドウ品種、最大収穫量、最低アルコール度数、熟成方法などが規定されている。それらの審査、化学・物理検査が商工会議所によって行われたもの | |
IGT
地域特性表示ワイン |
IGP
保護地理表示 |
生産地の名前を使用し、その地域のブドウを最低85%使うことが義務付けられているワイン。エチケットに品種と年が記載されているものも多い |
VDT
テーブルワイン |
Vini varietali
品種表示ワイン Vini generici 表示なしワイン |
ブドウ品種や生産地の表記の義務はないワイン |
従って、格付けにこだわる場合は「DOCG」「DOC」「DOP」がついているものを選べば、生産地、栽培方法、ブドウ品種、熟成方法などが行政によって審査され認められたものを選ぶことになります。
格付けを表すシールがついている
格付けがなくても美味しくてお手頃!
とはいえ、ワインの格付けはあくまでも目安であって、美味しさとは必ずしもイコールではありませんよね。格付けのないワインでも美味しいワインのある国イタリア。
Statista.comによれば、2019年のイタリア人の年間ワイン消費量は、人口1人あたり約36リットル。750ml のボトルに換算するとなんと48本!この場合の人口1人あたり計算には国民全員(人口約6千万人)を含んでいるので、赤ちゃんからお年寄りまでおよそ毎週1本、毎日1杯(約100ml)のワインを飲んでいることになります(実際には飲酒年齢18歳に達するまでは飲酒はできません)。
それくらいワインが生活に密着しているということですが、お値段はいかに?”ワインが水より安い国”といった例えもありますが実際のところはどうなのでしょう?
ブランド生産地や有名生産者のワインはもちろん数十から数百ユーロという素敵なお値段がついていますが、通常スーパーで売られているワインは「DOCG」「DOC」「DOP」も含め750mlのボトルだと、1桁を中心とした5-15ユーロ程度が多く、20ユーロを越えてくるものだと万引き防止タグがついているかケースに入っているか、、、そんな状況です。ただし、スーパーで1リットル20セント程度で売られている水より安いということはないようですね。
目移りしてしまう品揃え
DOCGでも2.99ユーロ!
こちらのテーブルワインは1リットルで99セント こちらは1リットル1.49ユーロ!なかなか美味しくてオススメ アマゾンに売ってます
初心者のためのイタリアワインの選び方は、格付編、生産地編(格式と自由が混在するトスカーナ)、生産地編(バローロだけじゃないピエモンテ)、生産地編(泡も白も赤もグラッパまであるヴェネト)、泡編がありますので、そちらも合わせてご覧ください。
ライター ITALIAMO編集部