シチリアのお菓子といえば、日本でも人気のカンノーロが代表的ですね。シチリアは、文化の交差点。イタリア本島とは違った魅力あるスイーツがたくさんあります。
カンノーロまたはカンノーリ(cannolo)
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日本でもイタリア料理店などで、出されることもあり、知名度が高いこちらのお菓子。
パイ生地を筒に巻き付け、揚げ、そこにクリームを詰めます。クリームはリコッタチーズで作られます。
お店によって、クリームの上に乗っているものは様々です。ピスタチオダイス、ドレンチェリー、チョコチップなどなど。
食べる際は是非、その場でクリームを詰めてもらえると良いですね。詰めたままだと、生地がサクっとしないからです。
サクサクの生地としっとりのクリーム、この絶妙なコンビネーションがカンノーロの魅力です。
カッサータ(cassata)
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カンノーロと並んで、シチリアを代表するお菓子。
マジパンで、リコッタチーズクリーム、砂糖漬けフルーツ、スポンジケーキなどを閉じ込めたもの。ピンクや緑のアイシングでデコレーションしたものが多いです。
見た目、とても可愛らしいドルチェですが、かなりの甘さ!
ぜひ甘党の方にお試し頂きたい逸品です。
スイカのジェーロ(gelo di melone)
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夏になると食べたくなる果物、そうスイカですね!
イタリア語で、スイカはアングリア(Anguria)、ココメロ(cocomero)と呼ばれますが、シチリアではメローネ(melone)。
メロンと同じ単語なので、少しややこしいですね。
パレルモ菓子として知られる、スイカのジェーロ(gelo di melone)。
真っ赤なスイカの果汁を固め、チョコチップやピスタチオダイスをまぶしてある冷菓です。
お店によっては、タルトの型にゼリー液を流し冷やし固めているものも。
パレルモのバールやパスティッチェリアでは、おなじみのメニューです。
スイカそのものの甘さを思う存分味わえる、夏のデザートですね。
レジネッレまたはビスコッティ・レジーナ(reginelleまたはbiscotti regina)
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「女王のビスコッティ」という意味のビスコッティで、ゴマをふんだんにまぶしてあります。
名前は荘厳な響きを感じますが、味は素朴で優しいビスコッティです。
このビスコッティの特徴は、ゴマの量とバターの代わりに使うラードでしょうか。
甘さが控えめで、サクッとした食感にいくらでも食べられます。
こちらもパレルモの郷土菓子。
フルッタ・マルトラーナ(frutta martorana)
マジパンで、野菜やフルーツなどをかたどったお菓子です。
元々は、パレルモのマルトラーナ修道院で作られたもので、現在はシチリア全土で作られています。
今は四季を問わず作られていますが、本来は11月2日の「死者の日」に食べられるお菓子でした。死者の日はイタリアでは、死者の魂が現世に帰ってくる日とされています。
シチリアには、死者の日に、フルッタ・マルトラーナを作り、家の色々な場所に隠し、子どもたちがそれを見つけ出す、というような風習がありました。子どもがお菓子を見つけたら、それはご先祖様がくれたものだと、子どもに言い聞かせていたようです。
日本のお盆のような感覚ですね。
さいごに
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シチリアと言えば、真っ青の海や異国情緒にあふれる街並み…を思い浮かべますが、お菓子の世界も深いですね!
今回ご紹介したもの以外にも、まだまだシチリア独特の郷土菓子があります。
色とりどりのものから、シンプルな焼き菓子まで本当に様々なシチリア菓子。
ぜひ、シチリアを訪れたら試してみてください!
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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