好みのオリーブオイルを食卓に。。。オリーブオイルの選び方

種類豊富なオリーブオイルだけど・・・気が付けば日本でもイタリア産やスペイン産のオリーブオイルが何種類もスーパーに並び、健康食品の一つとしても日常的に食され、身近な存在になっていますね。みなさんは何を基準にオリーブオイルを選択していますか?

Photo by efanews.eu

ラベルを確認してみよう!

食品や日用品のパッケージデザインや内容が、日本に比べると変化の少ないイタリアですが、昨今イタリアのスーパーでは、エクストラバージンオリーブオイルボトルに「100%イタリア産」「コールドプレス」「濾過あり/なし」の表示が加えられています。そのあたりをクローズアップしてみましょう。

Photo by olioofficina.it




100%イタリア産(100% Italiano)

イタリアにもイタリア産でないオリーブオイルがある落とし穴

近年イタリアでは、海外から輸入されたエクストラバージンオリーブオイルが出回り、また海外のオリーブの実から搾油されたオリーブオイルも多く、それらの差別化のためにも、イタリアのオリーブの木から収穫された実を、イタリアで搾油したオリーブオイルのみが「100% Italiano(100%イタリア産)」と表示されるようになりました。

Photo by dececco.com

オリーブオイルの搾油もやっぱり機械化

オリーブオイル搾油の伝統製法は、オリーブの実を石臼でペースト状にし、固形物と液体に分離、その液体を水分と油分に分離、その油分を濾過して製品化する、という一連の工程のほとんどを手作業で行っており、一度の圧搾では搾り切れないため、2番搾りのオイルも存在していました。

現在は、機械化により2度圧搾する必要はなく、収穫ー洗浄ー粉砕ーペーストを練るー搾油の工程全てを一つの機械で行う大量生産型や、一部の工程を変えることで品質に差を生み出しています。

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コールドプレス(A freddo)

そもそもエクストラバージンオリーブオイルとは・・

「エクストラ」を抜いた「バージンオリーブオイル」は、収穫した実を限られた工程のみ(洗浄、デカンテーション、遠心分離、濾過)で搾油されたたオイルです。

では「エクストラ」が付くと何が変わるのかというと、バージンオリーブオイルの酸度が0.8%以下に制限され、酸素量や専門家の味覚チェック(官能評価)をパスした、より厳選されたオイルになります。

Photo by Jeera

酸度ってなに?

酸度とは、オリーブオイルの品質を見極める際の数値のひとつです。熱処理や圧搾方法等の様々な工程の違いにより、オリーブオイルの劣化度が変わり、劣化が少ないほどこの数値は低くなる、つまりクオリティの高いオリーブオイルなのかな、と推測することができるわけです。オリーブオイルの劣化原因の一つは温度管理です。オリーブオイルは熱に弱いので低温であること、そう、ここでコールドプレスが重要になってきます。イタリア語では「ア フレッド(A freddo)」がコールド(低温で)を意味します。

Photo by reterurale.it

コールドプレスに2種類の表示があるけど!?

コールドプレスには2種類の表示があり、どちらも27度未満の低温にて抽出されますが、『ペーストを練るー搾油』の水と油を分離する工程方法が異なります。

① “spremitura/spremuto a freddo” “prima spremitura/spremuto a freddo” 
"スプレミトゥーラ/スプレムート ア フレッド""プリマ スプレミトゥーラ/スプレムート ア フレッド"

従来の油圧プレス工程を、ハンマーまたはナイフミル(液圧プレスという説もあり)に変更し、抽出されたオイルにのみ表示されます。前述したように、現在オリーブペーストを2回圧搾することはないため、最初のという意味 であるプリマ「Prima」、ファーストプレスという記載は単なる誇張の問題のようです。

Photo by olivyou.com

② “estratto/ottenuto a freddo”
"エストラット/オッテヌート ア フレッド"

遠心分離や成分の性質変化を利用したプロセスによって得られたオイルにのみ表示されます。

Photo by sicilia-bedda.it

この2種類では、風味もポリフェノール量も「エストラット/オッテヌート ア フレッド」のほうが豊かなようです。つまりコールドプレスはどちらもカバーしているので、どう搾油されたかが重要になりますね。




濾過あり/なし

ノンフィルターオリーブオイルの方がおいしいの?

濾過プロセスを経ていない、ノンフィルターオリーブオイルは、濾過プロセスを得ているオリーブオイルより、くすんだ色味になります。

味に関しては明確に意見が分かれるということはありません。ただ濾過していない分、ポリフェノールの含有量が多少多いという利点があり、1年以内に消費することが推奨されています。

Photo by oliocongedi.com

まとめ 選ぶのに大事なことは・・

コールドプレス表示で感づいた方も多いはず、そうなのです。バージンオリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルは、一般的に27度未満のコールドプレスで抽出されなければ、その品質は保てないのです。「コールドプレス」や「ファーストプレス」表示は単なるマーケティング用語。

肝心なのは、バージンオリーブオイル、エクストラバージンオリーブオイルであること。そして「エストラット/オッテヌート ア フレッド」の表示のあるものや、酸度のより低いもの、を試してみましょう!

#イタリア豆知識

この記事を書いた人
Jeera
2008年よりイタリア在住。ミラノ、サンタマルゲリータリグレ(リグーリア州)、カナゼイ=カナツェーイ(ドロミテ山脈、南チロル)の3都市より、イタリアの気になる楽しいおいしい情報をお伝えします♪
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