イタリア、2月、と言えばカーニバル!中でもヴェネチアで仮面衣装をまとったカーニバルの様子をご覧になったことのある方は多いのではないでしょうか?
この時期だけのカーニバルのお菓子とは?
カーニバルの本当の意味とは?
カーニバルとは、俗ラテン語からくるその呼び名に由来するように、「Carnem 肉を」「Levare 取り除く」季節行事です。カトリック文化圏で見られるキリスト教にまつわる行事で、日本語では謝肉祭と訳されます。この「謝」は、辞謝の謝で、「断ること。辞退。謝絶。」を意味します。
キリスト教の大事な行事の一つに、復活祭(Pasqua)があります。復活祭とは、十字架にかけられて処刑されたあと復活したとされるイエス・キリスト、その復活を祝う日。毎年、春分の日、の次の満月、の後に来る日曜日、に行われます。この復活祭の前の期間を、四旬節(Quaresima)といい、40日(注: 日曜を含むと合計46日)もの間、祈ったり、断食したり、慈善を行ったりして節制し、復活祭を迎える準備を整えます。
カーニバルとは、四旬節が始まる前に、肉にしばしの別れを告げる宴のこと。つまり、節制前に肉をたくさん食べて宴を楽しもう!というときなのです。
カーニバルのドルチェ定番3種
パンデミックで普段通りの祭りができてもできなくてもお菓子は健在!カーニバルシーズンに食されるドルチェというと、イタリアに限らず油で揚げたものがほとんど。これは、春になる喜びを揚げ菓子の色=黄金色(太陽の色)の色で表現するからとか。
ではカーニバルのお菓子を3つ見てみましょう!
キアッケレ(Chiacchiere)
全国的なものがキアッケレ。イタリア語でおしゃべりを意味します。パイのような生地を揚げて粉砂糖をまぶしたお菓子で、サックサクの食感。ローマのあるラッツィオ州ではフラッペ(Frappe ミルクシェーク)、トスカーナ州ではチェンチ(Cenci ボロキレ)、ピエモンテ州ではブジーエ(Bugie 嘘)、ベネト州ではガラーニ(Galani)、エミリア・ロマーニャ州ではスフラポーレ(Sfrappole)と言ったように、全国で約40もの呼び名があるそう。
カスタニョーレ(Castagnole)
中に何も入っていないか、もしくはカスタードクリーム、リコッタチーズ、ジャムなどが中に入った丸い揚げ菓子。栗(Castagna)に形が似ています。その歴史は17世紀にさかのぼります。
フリッテッレ(Frittelle または Fritoleri)
フリッテッレは、ベネチア風の揚げドーナツ。ドーナツの生地に干しブドウと松の実が入っているもの、さらにクリーム入りのもの、ザバイオーネという洋酒のクリーム入りのものなどが定番です。
まとめ
これらが店頭に並ぶのは、四旬節に入る前のマテルディ・グラッソ(脂の火曜日)まで。カーニバル期間にしか食べられないお菓子なんです。
来年以降はまたカーニバルとともに、街に賑わいが戻ることを祈って。
ITALIAMO編集部