ローマ風ニョッキとは?じゃがいももカボチャも使わない変わったニョッキ

イタリア好きの皆さんならニョッキはよくご存知かと思います。じゃがいもやカボチャのペーストを小麦と混ぜて作る、もちもちとしたパスタの一種。しかし今回ご紹介するのは、じゃがいももカボチャも使いません。

ローマ風ニョッキとは?

ローマ風ニョッキ(Gnocchi alla romana)は、じゃがいももカボチャも使わず、セモリナ粉で作るニョッキです。
『ローマ風ニョッキ』といえば、このニョッキのことを指します。


ニョッキといえば普通こういう感じですね Photo by Karolina Grabowska on pexels

皆さんがよく知っているじゃがいもを使ったニョッキは、16世紀の後半に南米のアンデス山脈原産のじゃがいもがヨーロッパに持ち込まれ、17世紀になってイタリアでも栽培されるようになってから、作られ始められました。

じゃがいもがイタリアに普及される前から作られていたニョッキが、今回ご紹介するニョッキ。古代ローマに起源を持つとも言われています。

温めた牛乳の中にセモリナ粉を少しずつ入れ、混ぜて生地を作ります。このこねる作業が、なかなか根気が必要で、力も要ります。
まさに、北イタリア料理のポレンタを思い出す作り方ですね。

合わせて読みたい 寒い季節にぴったり 冬の定番料理「ポレンタ」

こねた生地を、筒状にまとめて輪切りにし(伸ばした生地を型で抜く方法もあります)、その上にチーズをかけてオーブンで焼きます。




作り方

作り方は、じゃがいものニョッキよりも本当にシンプルで簡単です。

材料 3-4人分

Photo by YUKAKO

セモリナ粉 125グラム
牛乳 500cc
ナツメグ 少々
バター 30グラム
塩 ひとつまみ
胡椒 少々
パルミジャーノレッジャーノ 大さじ8
卵黄1個分

1. 牛乳を鍋に入れ温めながら、ナツメグ、バター、塩を入れ、セモリナ粉を少しずつ加え、混ぜる。

2. 弱火にして木べらで練り、鍋を火から下ろしたら卵黄、パルミジャーノレッジャーノを加え、また混ぜる。

力の要る作業です   Photo by YUKAKO

3. まな板に生地を置き、丸めてから筒状に伸ばし、冷ます。

4. 厚さ約1センチに切り、耐熱皿に並べ、バター、パルミジャーノレッジャーノ(分量外)をかける。

5. 180度に予熱したオーブンで15分ほど焼き、温度を上げてさらに5分焼く。
表面に焦げ目ができたら出来上がり!

Photo by YUKAKO

気になるお味は?

Photo by Congerdesign on pixabay

じゃがいものニョッキは、チーズやクリームのソースと合わせることが多いですね。

一方、ローマ風ニョッキは、バター、チーズ、そして粉、というシンプルな素材の優しい味が口の中に広がり、このニョッキを食べると心もほっこりする気がします。

また、オーブンで焼いているので、外はカリッと、そして中身はもちもちしています。この『オーブンで焼く』という行為が、通常のニョッキとの大きな違いで、食感に特徴を与えていると、筆者は思います。

どちらかというと、やはり北イタリア料理のポレンタに似ていますね。
ちなみに、セモリナ粉ではなく使うコーンミールを使うレシピもあるようです。まさにポレンタですね!




さいごに

コロッセオの時代から食べられていたのでしょうか・・・    Photo by YUKAKO

ローマ風なのにペコリーノチーズも入らず、バターをたくさん使うことから、ピエモンテの料理では?と言われたこともありますが、れっきとしたローマ料理です。

見た目も派手ではなく、決して“映える”料理とは言えないかもしれないローマ風ニョッキ。しかし、一口食べれば、その優しい味わいがついつい癖になる不思議な料理です。
作り方はとても簡単、しかもお腹にたまるお得な逸品。
次の週末、チャレンジしてみるのはいかがですか?

#パスタ #レシピ #中部(フィレンツェ・ローマ)

 

この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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