ロマネスコを知っていますか?
不思議な形をした黄緑色の野菜です。冬の今が旬で、イタリア語では、broccolo romanesco(ローマのブロッコリー)と呼ばれています。
ロマネスコはどんな野菜?
Photo by YUKAKO
ロマネスコは、ブロッコリーやカリフラワーと同じ、アブラナ科の植物です。
ブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせて作られたとも、ロマネスコからブロッコリーとカリフラワーが生まれたとも言われていますが、定説はありません。
Photo by 原へりな on photo AC
色はブロッコリーとカリフラワーの中間の黄緑色で、味はまさにこの2つを足して割ったような食感となっています!
16世紀ごろ、イタリア・ローマで栽培が始まったとされていますが、ドイツでも同時期に栽培されていたという説もあります。
冬の初め、11月頃になるとイタリアでは、八百屋やスーパーマーケットにロマネスコが並び始めます。初めて目にした時は、『何これ?』とびっくりしました。珊瑚のような恐竜のような不思議な形で、『これ本当に食べられるの?』訝しげに、スーパーでじっとロマネスコを見つめていた思い出があります。
不思議なその形
ロマネスコの形は、フラクタル構造と言います。
フラクタル構造とは、
微少な部分と全体とが自己相似的な構造を持っていること
とのこと。と言ってもよくわかりませんね。
Photo by kun1kun1 on photo AC
ロマネスコのあの円錐形のつぶつぶを花蕾(からい)と言います。ロマネスコは小さな花蕾が集まってあのフォルムを形作っているのです!美しいですね!
このように一部を切り取っても、永遠に自分と同じ形が現れる構造のことを、フラクタル構造と呼びます。
ロマネスコは自然界の中で見られるフラクタル構造の代表のような野菜です。
大きな花蕾を切ると、同じように小さな花蕾からなっていて、その花蕾をようく見ると、また同じ花蕾が!!
その神秘的な構造に、初めて知った時は見入ってしまいました。
どうやって食べる?
さて、そんなロマネスコですが、もちろん食べても美味しいです!
イタリアのレシピでは、茹でて潰しポタージュにする食べ方もあるようですが、せっかくのあの形。フラクタル構造を生かした(?)、レシピをご紹介します。
ロマネスコとパンチェッタのパスタ
Photo by YUKAKO
イタリアと言えばパスタ。ロマネスコを入れるパスタだって珍しくありません。
材料(4人分)
お好みのパスタ(今回はペンネ) 320グラム
ロマネスコ お好みの量
パンチェッタ(ベーコン) 200グラム
ニンニク 1片
パルミジャーノレッジャーノ お好みの量
オリーブオイル、塩胡椒 適量
1、ロマネスコを適当な大きさに切り分ける。パンチェッタは、短冊切りに。ニンニクは刻む
2、パスタを茹で始める(記載の通りに)
3、ロマネスコを茹でる。熱湯でお好みの固さに茹でる(固めが好きなら熱湯に入れて2分ほど)
4、フライパンにオリーブオイルとニンニク、パンチェッタを入れ、ニンニクの香りを出す。材料がオイルに馴染んだら、ロマネスコを投入。
5、4に、茹でたパスタと茹で汁おたまいっぱい分ほど投入。水分を飛ばして、皿に盛り付け、パルミジャーノレッジャーノをふる。
ロマネスコのオーブン焼き
Photo by YUKAKO
シンプルな材料ながら、立派なメインにもなります!
材料(グラタン皿1皿分)
ロマネスコ 1株
牛乳 250cc
バター 25グラム
小麦粉 25グラム
ナツメグ 少々
塩胡椒 少々
1、ロマネスコを切り分け、熱湯で固めに茹でる
2、ベシャメルソースを作る。小鍋にバターと小麦粉を入れ、とろ火で温める。
3、牛乳を少しずつ入れ、だまにならないように混ぜる
4、とろとろしてきたら、ナツメグを入れ、塩胡椒で味を整える
5、グラタン皿にロマネスコを敷き詰め、ベシャメルソースをかけ、上にパルミジャーノレッジャーノを振りかけ、210°のオーブンで10分ほど焼く
6、焦げ目がついて焼き上がったら、出来上がり
ホクホクした食感とクセのない味なので、何にでも合う食材のようです。
もちろん、ブロッコリーやカリフラワーのようにサラダに使うと、とても綺麗です。
どんな栄養があるの??
Photo by TraduzioniTecniche on pixaby
さて、レシピがわかったところで、野菜として栄養についても気になるところです。
ロマネスコの栄養成分は、カリフラワーと同種ということもあり、多くのビタミン類が含まれているそうです。
特にビタミンCが多く、100グラム中、約60ミリグラムと豊富です。なんとレモンも100グラムあたり50ミリグラムとされているので、ビタミンCの含有量はレモンに勝っていることになります!
その他、カリウムやカルシウム、鉄なども含まれており、栄養価の高い野菜のようです。
冬が旬のロマネスコ
Photo by yum on photo AC
一般的に11月〜3月頃が旬のロマネスコ。
今では、日本のスーパーなどでも時折見かけるようになりました。
もし見つけたら、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか?
一方イタリアは旬を大事にする国。時期ではない野菜は店頭には並びません。
つまり、冬の今がロマネスコの食べごろなのです!言い換えれば、今しか食べられません!
不思議な見た目のロマネスコ。
ついついその形に見入ってしまいますが、調理法は簡単ですので、美味しい一皿に変身させてみましょう!
食卓でイタリアを感じることができますよ。
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
YUKAKOの他の記事を読む