今週のイタリアの話題は?
8月7日週まとめ
相変わらず政治関連のニュースが話題です。一党で政権を率いるだけの勢力を持つ政党がない中、9月25日の総選挙にむけて「誰と組むか」を争点に日々駆け引きが続いており、それが一挙一動ニュースになるというイタリア事情です。現状は、メローニ率いる世論支持一位の「イタリアの同胞」が、サルビーニの「連合」、ベルルスコーニの「フォルツァ・イタリア」と組む右寄り連合に対抗して、中道左派で世論支持二位の「民主党」がいかに勢力を増やすかというところで、小さな政党と継続して討議(くっついたかと思えば離れたり)。さて、最終的にはどんなチームが?そして選挙に勝つのは?
最近の流れを主力メディアの視点でまとめると。。。
- コロナ危機のさなか、新型コロナ後の復興計画を巡って連立政権内で意見が対立。元首相レンツィが率いる「イタリア・ ビバ」が連立を離脱し、コンテ首相(マッタレッラ大統領が指名)が辞任。
- マッタレッラ大統領が元欧州中央銀行(ECB)総裁のドラギ首相を指名。EUのコロナ復興基金から約2000億ユーロを確保するうえで条件となるイタリアの経済・行政改革プログラム策定・実行に実力を発揮する。また、国内総生産(GDP)比150%に上るイタリアの公的債務の管理を、規律の取れた経済通の人物に行ってもらいたいと考えている金融市場やEUのパートナー国からの信任も厚い。
- マッタレッラ大統領が8年任期の満期を迎えたことにより、国家元首である大統領選が議員投票によって行われる。マッタレッラ氏は退任の意向、一方ドラギ首相は大統領就任に意欲を見せるものの、今ドラギ首相に交代されては困る議員たちが阻止、8回のやり直し選挙でマッタレッラ氏が再任される。
- ウクライナ危機、そして世界中でインフレが懸念されるなか、大衆迎合主義でドラギ連立政権第1党の「五つ星」が、低迷する支持率から低所得者層の支持回復を狙って、物価高対策法案に反対。「連合」「フォルツァ・イタリア」が便乗し、連立政権が崩壊する。政局不安を映し、イタリアの長期金利は上昇、欧州の指標であるドイツ国債との利回り差(スプレッド)が約2%ほどに拡大。
- 議会は解散され、9月25日に総選挙が行われる。
#nowar
ポリシー:
「イタリア社会の関心事についてバランスをもって事実を伝えること」を目的とし、このまとめ発行を行っています。理由は、日本で入手できる外国の情報が少ないこと、偏りがあることです。
発行部数の多い全国一般紙 3紙(Corriere della Sera, La Repubblica, La Stampa)の、イタリア時間の午前のWebバージョンのトップニュースヘッドラインを日本語「意訳」とともにお伝えします(そのまま訳すと意味が通じないため)。
合わせて読みたい イタリアの新聞事情
ニュースヘッドライン
8月13日
ピエロ・アンジェラさんとの別れ、息子アルベルトさん「パパ、いい旅を」
「私は死ぬのが怖いかって?死は迷惑なもの」
ホログラムでインタビュー「学校にはもっと感動が必要」
Addio a Piero Angela, il figlio Alberto: «Buon viaggio papà»
«Se ho paura di morire? La morte è una scocciatura»
L’intervista in ologramma: «A scuola servono più emozioni»
ピエロ・アンジェラさんとの別れ 息子のアルベルトさん「パパ、いい旅を」
Addio a Piero Angela. Il figlio Alberto: “Buon viaggio papà”
ピエロ・アンジェラさん「私たちの使命はイタリア人を教育することで、RAIが国を映し出す存在になることでした」
8月12日
ベルルスコーニ「大統領制?マッタレッラは辞任すべきだ」そして、レッタが明確化:右派は危険だ カレンダ:CAV(ベルルスコーニ)は正気ではない
ベルルスコーニ:「大統領制になるマッタレッラは辞任」 |レッタ:危険な右翼 カレンダ「CAVは正気じゃない、当選させるべきではない」 ディマイオ「不穏な動き」
Berlusconi: “Se passa il presidenzialismo Mattarella deve dimettersi” Audio | Letta: destra pericolosa. Calenda: “Cav non in sé, non va eletto”. Di Maio: “Inquietante”
ベルルスコーニ「大統領制になるマッタレッラは辞任すべき」そして、彼は引き下がった カルデロリ「憲法を改正したとき、会議を解散させたわけではない」 レッタ「彼らは危険だ」 カレンダ「彼はもはや自分ではない」。
8月11日
レンツィ・カレンダ合意「カルロに選挙戦を指揮させた」 アツィオーネの指導者:ポピュリズムの代替案、寛大なマッテオ
15%の定率税以外、レギスト公約は18%の税率で通過 マラッティン(Iv)の糾弾「これは大きおな嘘」
レンツィ「合意成立、カレンダが選挙戦を指揮する」 ディマイオ「アツィオーネのリーダーいじめ。私はもう一方の頬を差し出す」 メローニ「安定協定の見直しへ」
8月10日
ベルルスコーニ「上院選に出馬すると思う」 メローニ、政府内の技術者に開眼
緑の連盟・左派のイリア・クッキ候補
Berlusconi: «Penso che correrò al Senato» Meloni apre ai tecnici nel governo
Ilaria Cucchi candidata per Verdi-Sinistra
ベルルスコーニ:上院に出馬 メローニ首相は適切 本日レンツィ・カレンダ会談
Berlusconi: mi candido al Senato, Meloni premier adeguata. Oggi l’incontro Renzi-Calenda
2022年選挙、ベルルスコーニ「上院に出馬する。メローニが首相になるのに十分だ」 コンテ「私はより多くの選挙区で指導者になる」 サルヴィーニ「原子力発電と海峡の橋に賛成。ソ連の愛国心」
8月9日
サルヴィーニ「あと1票でメローニ首相」 ベルルスコーニ「私が立候補?どうなるかな」
レンツィ「カレンダが我々と3度目のポールポジションを決める」
Salvini: con un voto in più Meloni premier Berlusconi: «Io candidato? Vedremo»
Renzi: Calenda decida su terzo polo con noi
カレンダとレンツィ、新しいコンタクト ベルルスコーニ「私が立候補?どうなるかな」
Calenda e Renzi, nuovi contatti. Berlusconi: “La mia candidatura? Vedremo”
選挙、カレンダがレンツィとの合意に向けて「お互いに話し合う」 イタリア・ビバのリーダー「チギ宮殿でドラギ第3極と、あなたは入るのか?」 ベルルスコーニ「私が候補者?どうなるかな」 サルヴィーニ「あと1票取ればメローニ首相」
8月8日
カレンダ氏、民主党と決別「彼らは寄せ集めを作りたいと考えていた、彼らは負けるだろう」
メローニとサルヴィーニの皮肉 アツィオーネの役割
Calenda e la rottura con il Pd: «Hanno voluto l’ammucchiata contro. E perderanno»
Ironia di Meloni e Salvini. Il ruolo di Azione
レッタとカレンダの別れ、誰が勝ち誰が負けるか、世論調査「涙とともにより多くの選挙区が右へ」
選挙、サルヴィーニ「失望した有権者を理解し、これ以上色を変えない」 メローニ「イタリアの同胞が1位なら首相になる」 コンテ「ディ・バティスタ?彼は出馬しないと思う」