イタリアで2月のビッグイベントは、バレンタインとそして長い歴史を持つカーニバル!
カーニバルの時期は、期間限定のお菓子がパスティチェリア(お菓子屋)やバール、スーパーなどに並びます。
今回はカーニバルのお菓子についてご紹介します!
キアッキエレ(Chiacchiere)
薄いパイのような生地を油であげて、粉砂糖をまぶしたもの。
サクサクとした食感が食べやすい、カーニバルの代表的なお菓子。
このお菓子、地方ごとに名前が変わる面白いお菓子で
ブジエ bugie(ピエモンテ州)
クロストリ crostoli(トレンティーノ地方)
チェンチ cenci(トスカーナ州)
ガラーニ galani(ヴェネト州)
フラッペ frappe(ローマあたりのラツィオ州)
と名前が変わります。
ちなみに、キアッキエレは「おしゃべり」という意味で、サクサクという食感が貴婦人のおしゃべりに似ていることからついたそう。
かわいいネーミングですね。
カスタニョーレ(Castagnole)
Photo by Yukako
栗(カスターニョ)に似ていることから、この名前がつきました。
生地の中に、リコッタチーズ、クリーム、そして洋酒が入っている、揚げドーナツのようなお菓子です。
栗という名前がついてるだけあって、栗サイズなので、いくらでもお腹に入ってしまいます?!
フリッテッレ(Frittelle)
Photo by Yukako
中に松の実やレーズンが入る、こちらも揚げ菓子。ベネチアのお菓子で、形はカスタニョーレに比べるとラフな感じですね。
小麦粉だけのレシピもありますが、セモリナ粉を使うレシピも。
セモリナ粉を使うバージョンは、ふわっというよりは、ネチっとした食感。
セモリナ粉の代わりに、ポレンタを使うレシピもあったりと、家庭の数だけレシピは存在しそうです。
定番は次の3種類です。
ヴェネツィアーナ veneziana:干しぶどうと松の実が入ったもの
クレーマ crema:クリーム入りのもの
ザバイオーネ zabaione:リキュールの入ったザバイオーネクリーム入り、大人の味!
ピニョラータ(pignolata)
ピニョラータは、カーニバルやクリスマスの時期に作られるシチリアの揚げ菓子。
粉、卵、砂糖、オリーブオイル(バターの場合も)で作った生地を、細長く伸ばし、小さく切り、揚げてハチミツを絡めたもの。
ピーニャ(pigna)とは「松かさ」という意味で、小さく切って揚げたものが松の実に似ていることから、この名前がつきました。
ちなみに、マルケ州にはピニョラータに近い「チチェルキア」というお菓子があり、カンパーニャ州には「ストゥルッフォリ」という柔らかな生地にハチミツを絡めたお菓子があります。
南イタリアには、揚げてハチミツを絡める、といったお菓子が名前を変えて存在するようです。
スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ(schiacciata alla fiorentina)
Photo by Yukako
フィレンツェの冬の定番お菓子とも言える、スキアッチャータ・アッラ・フィオレンティーナ。
カーニバルを締めくくる最終日、マルテディ・グラッソ(martedi grasso「太った火曜日」の意)に食べるものとして、ストゥルット(豚の背脂を一度熱を加えて溶かし、水分を飛ばして固めたもの)をたっぷり使う発酵菓子でした。
現在ではストゥルットの代わりに、オリーブオイルやバターで代用され発酵させないことが多いようです。
オレンジの皮やオレンジ果汁を使う、ふっくらと美味しい生地からオレンジの香りがふわっと香る、爽やかなお菓子。
ちなみにスキアッチャータ(schiacciata)とは「押しつぶされた」という意味で、高さは3センチ以下が原則です。
ミリアッチョドルチェ(migliaccio dolce)
Photo by Yukako
こちらも、カーニバルを締めくくるマルテディ・グラッソの日に食べる、カンパーニャ地方のお菓子。これを食べた翌日から四旬節の節食期間に入ります。
リコッタチーズ、セモリナ粉を使うチーズケーキで、ケーキというよりも固めのプリンの食感に近いというのが、筆者の印象です。
南イタリアらしく、オレンジの皮が入り爽やかな香りも特徴。
さいごに
Photo by anncapictures on pixabay
クリスマス、お正月とあれだけ「食べて食べて食べまくる」期間をすごした後に、さらにカーニバルでこれだけの甘いお菓子を食べる!
イタリア人は、本当に日本人には真似できない胃腸の持ち主だなあと、ため息が出ます。
どのお菓子も、カーニバルの時期だけの期間限定のお菓子なので、2月にイタリアに旅することがあれば、是非試してみてくださいね!
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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