イタリアといえば、料理、ファッション、デザイン、建築、サッカーなど様々な分野で魅力溢れる国ですが、忘れてはならないのがイタリア発祥の「オペラ」。今回は、オペラの本場イタリアにある、世界を代表するオペラ座・Teatro alla Scala (スカラ座)についてご紹介します。
世界を代表するオペラ座。ミラノ・スカラ座の歴史
ミラノの地下鉄ドゥオーモ駅から歩いて5分、市内一等地に位置するスカラ座。ミラノの有名なショッピング通りであるモンテナポレオーネも目と鼻の先です。
スカラ座の前身は、Teatro Regio Ducale (テアトロ・レッジョ・ドゥカーレ)という劇場だったのですが1776年火事で焼けてしまい、サンタ・マリア・アッラ・スカラ教会があった場所に再建されたので、そこから”スカラ”の名前が取られたそう。
更に第二次世界大戦の時にも壊れたので、現在の建物は1984年に再々建されたものということになります。
撮影: 清水優美
劇場内のエレガントな赤は世界を代表する劇場の風格がありますよね。
イタリア・オペラの最高峰。公演を支えるハイレベルなオーケストラやダンサーたち
スカラ座には、世界各国からオペラ歌手やバレエダンサーが公演をすることを夢見て、集まってくるほか、劇場が専属のオーケストラ・合唱団・バレエ団を所有しており、ハイレベルな世界のスカラ座の公演を支えています。
また、スカラ座は、数々の有名作品の初演の舞台となりました。イタリア人作曲家・ジャコモ・プッチーニの「蝶々夫人」や「トゥーランドット」もスカラ座で初演されています。
華やかなシーズン開幕日。あの有名ファッションブランドもスポンサーに
スカラ座のシーズン開幕日は、12月7日のSant’Ambrogio (サンタンブロージョ)と呼ばれるミラノ守護聖人の日で、ミラノの街にとっても特別な日。
この日のオペラ公演には、各界のVIPが招かれ、国営放送RAIでも生放送されます。旬な歌手が出演するため、新聞やネットでも大きく取り上げられ、イタリア音楽界でも毎年話題になります。
昨年2021年の開幕日には、会場の豪華な花の装飾がジョルジョ・アルマーニから贈られ、文字通り公演に華を添えました。
スカラ座のチケット選び。値段や座席のランクをご紹介!
さて、ここまで来ると気になるのがチケット代。公演によって、かなり値段が違うのですが、今回は2022年3~4月に上演されるオペラを例に書いていきたいと思います。
まず、スカラ座の座席は、
・Platea (プラテア)…平土間席
・Palco (パルコ)…ボックス席
・Galleria (ガレリア)…天井桟敷席
の3種類に分かれています。
Platea (プラテア)は、
一般的には一番良い席といわれています。舞台を正面に観ることができるので、演出もしっかり堪能できます。チケット代は、252~300€ (日本円で約32760~39000円※)です。
※1€130円を想定、以下同様
Palco (パルコ) は、
4席から6席ほどあるボックス席なので、家族や友人と1ボックスの全席を買えば、プライベート空間を楽しめます。チケット代は、78~300€ (日本円で約10140~39000円)です。
撮影: 清水優美
Galleria (ガレリア) は、
上2つの席に比べてお手頃な値段なので、オペラが初めての方におすすめ。舞台からは遠いですが、雰囲気は十分楽しめると思います。正面の席から売れて行くので、お目当ての公演でこの種類の座席が欲しければ早めの購入をお勧めします。お値段は、36~126€ (日本円で約4680~16380円)です。
撮影: 清水優美
スカラ座の公演には、もちろんオペラだけでなく、バレエやオーケストラのみのコンサートもあり、チケットの値段は公演によって異なるので、ご参考まで。詳しくは公式サイト(https://www.teatroallascala.org/en/index.html)をご覧ください。
スカラ座のドレスコードは?どんな服装で行けばいい?
スカラ座には特にドレスコードはありませんが、価格の高い席ほど、ドレッシーな服装の人が多い印象です。
撮影: 清水優美
男性はジャケットにネクタイ、女性は綺麗めなワンピースなど、それぞれ思い思いにオシャレに着飾っています。
劇場には、クロークもあるので、荷物が多い場合は預けることもできます。
オペラ初心者向け。スカラ座のガイドツアー
いきなりチケットを買うのは気が引けるという方にオススメなのが、劇場内のガイドツアー。
所要時間は1時間で、値段は25€です。英語、イタリア語、フランス語で1日に1回ずつあります。1時間なら、観光でも気軽に訪れることができますよね。
またガイドツアーに参加すると、普段は特別なゲストしか座ることができないロイヤルボックスも見学できるようです。
詳しくはスカラ座併設の博物館の公式サイト(https://www.museoscala.org/en/)をご覧ください。
オペラファンなら併設の美術館はマスト
スカラ座をもっと詳しく知ってみたい!と思った方には、劇場内にある美術館をオススメします。
撮影: 清水優美
過去の公演の衣装や作曲家の自筆譜などを間近に見ることができる貴重な場所です。美術館内でもガイドツアーがあるので、それに参加してみるのもいいかもしれません。
撮影: 清水優美
詳しくは公式サイト(https://www.museoscala.org/en/)をご覧ください。
さいごに
いかがでしたか?今回はイタリア・ミラノにあるスカラ座をご紹介しました。イタリアには、他の街にも歴史あるオペラ座がたくさんあるので、観光で訪れた際には、ぜひ探されてみてはいかがでしょうか!?
Teatro alla Scala (スカラ座)
Address: Via Filodrammatici, 2, 20121 Milano MI
Site: https://www.teatroallascala.org/it/index.html
Official: @teatroallascala
この記事を書いた人
Yumi
オペラに恋をしたのをきっかけに、2018年よりミラノ音楽留学。イタリアはもちろん、ヨーロッパ各国の文化に触れ、音楽以外にもアートや建築にも興味を持つ。趣味は旅行とグルメ。ミラノで美味しいものをいつも探している。現在はイタリア・日本拠点のフリーランス。ソプラノ歌手としての演奏活動や音楽イベント企画、音楽教室運営のほか、留学コーディネーター、音楽ライターなど、幅広く活動している。三重県出身。
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