イタリアで一番の商業都市と言われるミラノ。日本で言うなら東京ですね。そんなミラノと東京の類似点や規模を比較してみましょう。
QCテルメリラックスルーム Photo by beauty-forum.it
ミラノの面積は、東京都23区の約3分の1弱、ざっと山手線の内側に江東区、墨田区、荒川区を含めたくらいです。人口密度は、東京都23区人口密度の2分の1。広々した印象を受けますが、ミラネーゼは犬好きが多く、登録していない犬も考慮すると推定10万頭以上と言われており、街には犬が溢れています。ミラノの0~6才までの子供の数より、犬の数が上回るというのも納得ですね。
ミラノの各エリアを検証!
ミラノ市は、東京23区のように、9つの区域に分けられています。その中でも、観光施設、商業施設の一番多い、ミラノの中心ゾーン1から東西南北に、少し強引ではありますが、東京各地で当てはめてみましょう。
ミラノ9つのゾーン分布マップ Photo by fabbro24hmilano.com
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Zone1. 歴史地区から南のZone5. ティチネーゼ 地区とZone6. ナヴィリオ地区へ
Zone1. 歴史地区は、ドゥオモ、スフォルツェスコ城、サンタ マリア デッレ グラツィエ教会など、4世紀~の建造物、遺跡等が残る観光メイン地区、ミラノで最も人が集まるエリアです。
Zona5. ティチネーゼ地区は、穏やかな住宅街とオフィス、そしておいしいレストランエリアです。
Zona6. ナヴィリオ地区は、学生やサラリーマン、OLで賑わう商業施設の多いエリアです。
イタリア通り/ポルタ・ロマーナ通り~ポルタ・ロマーナ駅周辺を麻布に見立てる!?
ドゥオモ南部には、王宮とドゥオモチケットオフィスが並び、ラルガ通りを越えると15世紀の病院カーグランダを修復したミラノ大学と、地下鉄ミッソーリ駅があります。そして、20世紀建造のブルータリズム建築、ヴェラスカの塔が周辺のシンボルです。高さと無数の窓の様相は、元麻布ヒルズでしょう。ちなみにミラノ市民の結婚式(書類にサインする)は、この王宮の一室で市役所の担当者のもと行われます。
ヴェラスカの塔 Photo by it.wikipedia.org
元麻布ヒルズ Photo by ja.wikipedia.org
ミッソーリ駅を頂点に南へ2辺の三角形を描く、イタリア通りとポルタ・ロマーナ通りは、どちらも雰囲気が似ています。麻布通りほど広い通りではないにせよ、住宅と多すぎないオフィス、横道に入ると静かな住宅街とどこか懐かしい下町の風情も残る、麻布十番を思わせます。
ポルタ・ロマーナ通り Photo by google.it
麻布通り Photo by litera-properties.com
さらに南へ進むと、イタリア通りは、ピエトロ・テウリエ通りとジャン・ボローニャ通りに、ポルタ・ロマーナ通りは、ローディ通りに名前を変えます。この界隈も、前述のイタリア通りとポルタ・ロマーナ通りの三角形地区と 変わらず住宅街とオフィスの構成ですが、ミラノの中でもおいしいレストランが多く、またミラネーゼに人気のスパQCテルメやプラダ財団美術館、ボッコーニ大学、ミシュランレストランと地元民で賑わいます。そして、地下鉄ローディ駅以南の駅周辺は、特に夜の移動は避けたいエリアでもあります。
プラダ財団美術館 Photo by yesmilano.it
六本木ヒルズ Photo by 6mirai.tokyo-midtown
南部は、田園風景の中に一部の集合住宅と12世紀ゴシック建築キアラヴァッレ修道院が佇む、のどかな田舎町です。ドゥオモから5kmほど、車で15分の距離とは思えない、この広大な田園風景、都内では見当たらないでしょう。そう、パルメザンチーズに並ぶグラーノパダーノチーズは、この修道院から生み出されたという説がありますよ。
トリノ通り~ポルタ・ティチネーゼ通りを渋谷/原宿に見立てる!?
テイクアウトのフライドポテトやバブルティー、ピアディーナを片手に、学生たちがおしゃべりしている光景は、まるで渋谷や原宿のよう。ドゥオモ広場の南角から始まる1km弱、徒歩10分程度のトリノ通りとその先、名前を変えたポルタ・ティチネーゼ通りは、いつも若者で溢れています。雑貨、アクセサリー、靴や洋服、手ごろなお店が、ナビリオの入口、船着き場まで軒を重ね飽きさせません。日本の無印良品もこの通りにありますよ。
トリノ通り Photo by urbanvision.it
渋谷スクランブル交差点 Photo by ja.m.wikipedia.org
ポルタ・ティチネーゼ通り Photo by truemilan.com
キャットストリート Photo by thegate12.com
トリノ通りがポルタ・ティチネーゼ通りに名前を変えて間もなく、390~410年建設の歴史あるサンロレンツォ・マッジョーレ聖堂と、それよりさらに古い2、3世紀の大理石の柱と、12世紀のお堀城壁アーチの一部(19世紀改築)であるポルタ・ティチネーゼの門が見えてきます。
その裏手には、1300年終わりから400年ほど続いた魔女狩りの処刑場であったヴェトラ広場が、今は市民の憩いの場として気持ちのいい緑を保ち、その先サンテウストルジョ聖堂(4世紀)まで続きます。
サンロレンツォ・マッジョーレ聖堂 Photo by milanoguida.com
渋谷氷川神社 Photo by staynavi.direct
ナヴィリオ地区を中目黒に見立てる!?
ミラノ観光名所の一つ、ナヴィリオ運河が見え始めます。ナヴィリオ地区は、大学生や若いサラリーマン世代のアペリティーボで賑わうエリア。運河沿いにはレストランやカフェ、ギャラリーや雑貨店などが並び、夜はオレンジの街灯とレストランの明かりが水面を照らし、趣のある雰囲気を作り出します。そんな風情のある川沿いというと。。中目黒あたりでしょうか。
ナヴィリオ運河 Photo by milanoguida.com
目黒川 Photo by twitter.com
また映画『紅の豚』のモデルとも言われています。
ナヴィリオ運河上空 Photo by earth.google.com
映画『紅の豚』より Photo by Porco Rosso
ナヴィリオ運河 Photo by naviglireloading.eu
映画『紅の豚』より Photo by Porco Rosso
そして毎月最終日曜には、この運河沿いにアンティーク市が開かれます。これは不忍池のほとりで開催される、上野骨董市の雰囲気でしょうか。
ナヴィリオアンティーク市 Photo by milanopost.info
上野骨董市 Photo by pinterest.es
ナヴィリオ運河と並行して走る線路を渡ったトルトーナゾーンは、倉庫などの並ぶ産業地区でしたが、アパレルショールームやファッションショー会場、家具見本市と同時期に開催されるデザインウィークの展示などで開拓されたエリアです。
2015年には、製鉄所がミシュラン星付きレストランの入る、文化複合施設ムデック美術館に生まれ変わり、文化活動やイベントの拠点になりつつあり、下町の産業の雰囲気と東京都現代美術館のような新しい風が交じり合う、江東区の匂いを感じます。
ムデック美術館 Photo by lamiacameraconvista.com
東京都現代美術館 Photo by mot-art-museum.jp
そしてゾーン北部にはミラノ日本人学校や大型住宅が並び、ゾーン南部には、のどかな田園風景が広がります。
さいごに
ミラノの歴史地区から南のティチネーゼ地区とナヴィリオ地区へは、ヴェラスカの塔を横目に観光客の少ない静かな住宅とオフィスゾーンから、おいしいレストランゾーンのティチネーゼ界隈まで、そして高校生の多いトリノ通りから大学生の多いポルタ・ティチネーゼ通り、OL、サラリーマンの多いナヴィリオ地区とその隣のイベントエリアまで、ティチネーゼ地区とナヴィリオ地区、どちらもその先は田園風景が広がるエリアです。ランチは地元客に交じって、安くておいしいイタリアンでお腹を満たし、食後は田園風景を見つけにウォーキングしてみたいですね。
この記事を書いた人
Jeera
2008年よりイタリア在住。ミラノ、サンタマルゲリータリグレ(リグーリア州)、カナゼイ=カナツェーイ(ドロミテ山脈、南チロル)の3都市より、イタリアの気になる楽しいおいしい情報をお伝えします♪
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