イタリアには文化遺産が50件、自然遺産が5件、合計で55件の世界遺産があり、その数は世界一!イタリア半島のかかとにはそのうちの2つがあるんです。
アルベロベッロのトゥルッリ
アルベロベッロはプーリア州にある町の名前で、とんがり屋根に白い漆喰塗りのトゥルッリで有名です。アルベロベッロとは(Alberobello)=美しい木という意味で、トゥルッリの家並みが美しい並木のように見えることから来ているんだとか。
Photo by Italiamo
町に近づく道中では少しずつトゥルッリを見かけるようになりますが、アルベロベッロの旧市街にはおよそ1,500ものトゥルッリが密集していて、入り組んだ坂道があり、まるでラビリンスのよう。文化財指定地区が「モンティ地区」でお土産屋さんや飲食店の多くあるいわゆる観光地ですが、「アイア・ピッコラ地区」に行けば今でも生活を営む風景が見られます。
おとぎの世界から抜け出したようなかわいいトゥルッリですが、作られるようになったのは税金対策と言われています。15世紀には現在の街並みを形成していましたが、17世紀、ナポリ王に支払う税金は屋根の数を元に決められたため、いつでも解体できるように接合剤を使わずに平らな石灰石を積み上げたんだそうです。
マテーラの洞窟住居と岩窟教会公園
プーリア州のお隣のバジリカータ州にあるのはマテーラの洞窟住居です。イタリア語では石のことをサッソ(Sasso 単)/サッシ(Sassi 複)と言いますが、マテーラでは旧市街の洞窟住居のある地域をサッシと呼んでいます。この辺りの土地は石灰岩でできているのですが、石灰岩は風雨によって自然に穴が形成されるためそこに洞窟ができ、人が住みつきました。旧石器時代の出土品が発見されていることから、サッシへの居住が始まったのは旧石器時代にさかのぼると推定されます。衛生状態の悪化により1950年代には住民全員が退去を命じられ、一時は廃墟となりますが、ユネスコ世界遺産への登録を機にその資産価値を見直されるようになりました。
岩にできた洞窟に作られた洞窟住居 Photo by Italiamo
岩窟教会の名が示す通り、岩に教会が掘られている その数は約150もあるという Photo by Italiamo
夜の美しさは格別 Photo by Italiamo
2021年夏にはG20が開催され各国首脳が集まりましたが、映画の撮影地としても重宝されてきました。最近では007シリーズ「No time to die(邦題:007/ノー・タイム・トゥ・ダイ)」に登場しています。
もちろん食べ物も抜群に美味しいですよ!
最右にあるペペローネ・クルスコ(peperone crusco)はこの地方ルカーナ料理の定番で、ペペロ二をエクストラヴァージンオリーブオイルで揚げたもの Photo by Italiamo
バジリカータ州のフェリチェッリ(ferricelli)というショートパスタにはソースがよく絡む Photo by Italiamo
行き方
- 公共交通機関を使う場合、バーリを拠点に「アルベロベッロ(スド・エスト線 Sud Est)」→「バーリ」→「マテーラ(アプロ・ルカーネ線 Ferrovie Appulo Lucane)」
- アルベロベッロとマテーラは車で1時間程度なので、レンタカーまたはタクシーがおすすめ
ITALIAMO編集部