全てがインスタ映え! イタリアで1番美しい噴水庭園 ヴィッラ・デステ

ヴィラ・デステは、ローマ郊外にある街、ティヴォリにある、噴水庭園です。手入れされた庭園に500を超える噴水があり、その美しさから、“イタリア1美しい噴水庭園”とも言われています。

ヴィラ・デステとは?

ヴィラ・デステは、前回ご紹介したヴィッラ・アドリアーナと同じ街、ティヴォリにあります。
ティヴォリは丘の上に立ち、緑豊かで穏やかな気候から、古代ローマ時代より上流階級の保養地でした。
ヴィラ・デステとは、イタリア語で、『エステ家の別荘』という意味です。16世期半ばに、エステ家の枢機卿イッポリート2世・デステがローマ教皇の座をめぐり敗れ、この地に引退しました。そして、元々は質素な造りであった修道院を改築し、現在の美しい別荘に生まれ変わらせたのです。

4.5ヘクタールという広大な敷地に、ティヴォリの豊富な水を利用し、数多くの噴水を建築。ヴィラ・デステは、16世期のイタリアの華やかな庭園芸術として、その後のヨーロッパの庭園設計にも大きな影響を与えました。

この地を訪れた音楽家のリストは『巡礼の年第3年』に「エステ荘の噴水」を含め3曲作曲したそうです。それほど、この庭園の美しさに感動したということですね。

見どころ

楕円の噴水(Fontana dell’Ovato)

Photo by YUKAKO

ヴィラ・デステには数多くの噴水が立ち並びますが、楕円を描くこの噴水がもっと華麗で豪華な噴水ではないでしょうか。
水しぶきをあげながら滝が流れ、並々と池の水面がたゆたいます。
華麗な美しさを放つ噴水ですが、滝の轟音に驚くかもしれません。それほど、大量の水が流れ続けているのです。
楕円の噴水は、滝の上に女神の像があることから『ヴィーナスの噴水』、またティヴォリの街と山と滝、そして川を表していることから『ティヴォリの噴水』とも呼ばれています。

100の噴水(Cento Fontane)

Photo by YUKAKO

庭園の中央に位置し、縦に細長い小道の脇に建設された噴水。
文字通り、100もの小さい噴水がどこまでも続きます。水しぶきが光に反射し、キラキラと輝き美しさを奏でます。

オルガンの噴水(Fontana dell’Organo)

Photo by YUKAKO

庭園の高みにバロック様式の建物があります。その中央にあるオルガンは、なんと水圧で演奏が行われるのです。
ただし演奏は2時間おきなので、いつでも演奏が聴こえてくるわけではないのでご注意を。
また、周囲の滝の水音が大きいので、近くに行かないと聴こえません。
しかし、運悪く演奏が聴けなかったとしても建物だけでも一見の価値ありです!

ネットゥーノの噴水(Fontana di Nettuno)

Photo by lapping on pixabay

中央の滝、その脇に流れる滝、そしてさらに前と幾重にもさまざまな滝が流れ落ちるという、非常にダイナミックな造りの噴水です。
何層にも重なった滝は圧巻。

ドラゴンの噴水(Fontana dei Draghi)

Photo by YUKAKO

法王グレゴリウス13世へのオマージュとして作成されたものです。
ドラゴンはこの法王の紋章であったことから、ドラゴンの噴水と命名されました。
中央には4体のドラゴンが配置されています。

アルテミスまたは母なる神の噴水(Fontana di Diana Efesia o Madre Natura)

Photo by YUKAKO

他の噴水と違い異彩を放つ不思議な噴水。乳房を思わせるこの像は、多産・出産の神とされているそうです。

ペスキエーレ/養殖場(Peschiere)

Photo by YUKAKO

四角い大きな池が庭園のほぼ中央にあります。昔はこの池に魚を放ち、釣りをし、その魚がテーブルに運ばれていたといわれています。
現在は、ぺスキエーレからネットゥーノの噴水、そしてその奥にオルガンの噴水が立ち並び、荘厳な風景を生み出しています。

どこもかしこもインスタ映えのフォトスポット!

Photo by YUKAKO

筆者が訪れたのは、冬。
ローマの紺碧の青空に、噴水の水しぶきが光り輝き、庭園と空のコントラストが非常に綺麗でした。

見どころはご紹介した通りですが、この庭園はどこを歩いても、カメラのシャッターを押さずにはいられないほど、インスタ映えする風景に溢れています!

Photo by YUKAKO

この高低差!高くそびえたつ別荘ならではの風景です。

Photo by YUKAKO

気品に満ちたエステ家の別荘です。

Photo by YUKAKO

館のテラスから撮影。こちらも高低差が良く出ています。

さいごに

Photo by YUKAKO

夏の暑さの中では涼やかさを感じさせ、冬には空とのコントラストが美しい。
ヴィラ・デステは、1年を通じ、その美しさに誰もがため息を漏らしてしまうほど素敵な庭園です。

庭園といえば、イギリスを思い浮かべるかもしれませんが、いえいえ、ヴィラ・デステを訪れてみてください。負けていないどころか、その美しさはイタリア1、いえ、ヨーロッパの中でもトップクラスでしょう。

緑に囲まれ噴水の水しぶきを浴びて、ほんのひと時、癒しの時間に浸ってみましょう。
そして是非、ご自身のお気に入りの噴水を発見してください!

アクセス方法

地下鉄で行く場合:地下鉄B線でポンテ・マンモーロ(Ponte Mammolo)駅まで行き、そこからCo.Tral社バスでティヴォリ行きのバスに乗る。ラルゴ・ナツィオーニ・ウニテ(Largo Nazioni Unite)にて下車。駐車場と広場の先にヴィラ・デステがある。

ヴィッラ・アドリアーナから行く場合:CAT社バス4番または4Xへ乗り、ガリバルディ広場(Piazza Garibaldi)で下車。

ティヴォリのもう一つの見どころ ヴィッラ・アドリアーナ

テルマエ・ロマエの世界が広がる ハドリアヌス帝の別荘ヴィッラ・アドリアーナでもご紹介しましたが、ティヴォリにはヴィラ・デステのほかにもう1カ所、素敵な観光地があります。
『ハドリアヌス帝の別荘』という意味のヴィッラ・アドリアーナで、現在も修復作業が続く古代ローマ時代の遺跡です。ヤマザキマリさんの漫画『テルマエ・ロマエ』の舞台にもなっているので、親近感を抱く方も多いかもしれません。
是非、ヴィラ・デステと合わせて訪れてみてください。
なお筆者のおすすめは、ヴィッラ・アドリアーナ → ヴィラ・デステの順。こちらの順番のほうが、アクセスは便利です。
ぜひ、セットで訪れてそれぞれの別荘(一方は跡地ですが)を見比べてみてください!

 

この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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