シチリアは、日本の四国ほどの大きさの島で、イタリアの州の中で最大の面積を誇ります。海に囲まれたリゾート地である一方、街ごとに特徴が異なるため、街歩きしていても飽きません。イタリア人をはじめ、世界中の人が訪れて止まない土地、シチリア。それでは、シチリアには一体どのような魅力があるのでしょうか?
異国情緒あふれる島
Photo by YUKAKO
シチリアは地中海最大の島で、3,000年の昔から、様々な国から人々がやって来ました。
長い年月の間、訪れた人々の文化が入り混じり、発展します。
ギリシア、ローマ、イスラム教の人々、ノルマン人にスペイン人と、北に南に西に東、と多種多様な民族がこの地を訪れ、支配し、文化が融合し現在のシチリアが形成されたのです。
筆者は、初めて州都パレルモに降り立った時「ここは中東?」と錯覚するような街並み、行き交う人々に、目が釘付けになりました。
イタリアのどこにいてもこの感覚は味わえないのではないでしょうか。
エキゾチックな魅力に包まれたシチリア、歩くたびに新しい発見が待っています。
海
Photo by YUKAKO
地中海のほぼ中央に位置するシチリア。やはり外せないのは海でしょう。
リゾート地として有名なのは、タオルミーナ、チェファル、ジャルディーニャ・ナクソスなど。
夏のバカンスシーズンは、観光客で溢れかえります。
イタリア好きの皆さんならご存知とは思いますが、イタリア人は海に行っても海に入らず日光浴をしてる人が大半。
そして女性が着る水着は、子どもからお年寄りまで、みんなビキニ!これもまた太陽をたくさん浴びるためでしょうか。
数あるビーチの中でも筆者がお勧めなのが、サン・ヴィート・ロ・カーポ(San Vito Lo Capo)です。
シチリアの北西部にある州都パレルモから車で1時間半ほどの場所にある街で、その海の美しさには息をのむ程です。
まだ日本ではほとんど知られていないので、穴場かもしれません。
グルメ
昔から様々な国の交差点であったシチリア。料理もイタリア本島とは、全然違います。
9~11世紀のアラブ人の流入で、米、サフラン、オレンジ、レモンなどがもたらされました。
米料理で一番有名なのは、アランチーニ(ライスコロッケ)でしょう。ストリートフードとして、リストランテの前菜としてどこでも食べられます。
Photo by Italiamo
また、海で囲まれているので海の幸が、びっくりするくらい美味しいです。
シーフードフリット、シーフードのパスタにリゾット。
Photo by YUKAKO
筆者が特に美味しいと感じたのはウニです。シチリアでウニのパスタを見かけたら食べてみてください。悶絶します。ウニを生のまま食べるのは、日本人とシチリア人だけだとか。
ウニのパスタ 贅沢な使い方ですね Photo by YUKAKO
また、アラブの影響を色濃く受けているため、クスクスなどのアラブ料理がポピュラーなのも特徴です。
ドルチェ(スイーツ)
シチリア独特のお菓子が存在するのも、魅力の一つ。
最も有名なのはカンノーロです。サクサクのパイ生地にリコッタチーズのクリームが詰めてあります。シチリア中のバールやお菓子屋さんで、手に入ります。イタリア本島でもカンノーロは人気なので食べることができますが、シチリアで食べると、その値段、味わいにびっくりしますよ。
Photo by YUKAKO
また、ジェラートの食べ方も少し変わってます。ブリオッシュにジェラートを挟んで食べるんです。ブリオッシュ、ジェラートとかなりボリュームありますが、美味しくてぺろりと行けてしまいます。
Photo by YUKAKO
映画の舞台
colectivo.aisthesis @Instagram
映画好きな方なら、シチリアが様々な有名な映画作品の舞台となっていることをご存知では?
美しい旋律が印象的な「ニュー・シネマ・パラダイス」(1988)。イゾラ・ベッラで撮影された「グラン・ブルー」(1988)。
そして、シチリアといえばのマフィアのファミリーを描いた「ゴッドファーザー」シリーズ(1972、1974、1990)がありますね。
その他、シチリアを舞台にした映画はこちら。
「マレーナ」(2000)
「ニュー・シネマ・パラダイス」の監督ジュゼッペ・トルナトーレの作品。主演はイタリアの宝石、モニカ・ベルッチです。
「マフィアは夏にしか殺らない」(2013)
「ペッピーノの百歩」(2000)
どちらもシチリアのマフィアについて描いた作品。
「マフィアは夏にしか~」はコメディタッチ。「ペッピーノの百歩」はマフィアと戦った青年を描いた実話です。
機会があれば是非観てみてください。シチリアの雰囲気がよくわかります。
遺跡
アグリジェントの遺跡群 Photo by YUKAKO
シチリアに来て驚くのが、ここはギリシャ?!と見紛うほどの、綺麗な状態で残された遺跡の数々。
特に有名なのは島南部にあるアグリジェントです。
古代には30万人もの人々が住み、海からは数キロにもわたりせり上がった場所に、古代ギリシアの神殿群がそびえ立つ景色は圧巻の一言です。
ファッション(コッポラ帽)
Photo by YUKAKO
コッポラ帽をご存知ですか?
もともとは、羊飼い、漁師、農夫の作業帽として普及され、70年代にはマフィアがかぶっていたことからマフィアの象徴として忌み嫌われている時代を経て、今はシチリア、ひいてはイタリアを象徴するファッションアイコンになりました。
州都パレルモに、コッポラ帽を扱う有名なお店があります。
子ども用が可愛いと評判です。
La Coppola Storta
Via Bara All’Olivella, 72, 90133 Palermo PA
091 324428
さいごに
映画「ゴッドファーザー」にも出てきたマッシモ劇場 @パレルモ Photo by YUKAKO
シチリアの魅力。今回ご紹介したものはほんの一部に過ぎません。
知れば知るほどシチリアの魅力は尽きないことを知るでしょう。
リゾート地として訪れるのはもちろんですが、筆者個人としては、文化の交差点としてシチリアを訪れることをお勧めしたいです。
イタリア本島では味わえない、シチリア独特の文化、食、景色があるからです。
あなただけのシチリアの魅力がきっと見つかるはずです。
この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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