パネットーネとパンドーロだけじゃないイタリアクリスマスドルチェ9選

クリスマスはイタリア人にとって宗教的な伝統ある祝日。クリスマスに食べられているイタリアのドルチェにはどんなものがあるかご存知でしょうか。

イタリアのクリスマスドルチェ

イタリアのクリスマスのドルチェといえば、パネットーネとパンドーロを思い浮かべる方が多いことでしょう。しかし、イタリアには、パネットーネとパンドーロ以外にもたくさんのクリスマスのドルチェがあることをご存知でしょうか。一つの州に一つ以上はクリスマスのドルチェがあるため、その数20種類以上。イタリア人でさえ、馴染みのない地域のクリスマスのドルチェのことは、名前すら聞いたことがない・・・ということも。同じようなドルチェでも地域によって呼ばれ方が変わったりもします。筆者は、数種類しかクリスマスのドルチェを食べたことがありませんが、イタリアのクリスマスのドルチェは、菓子パンのようなドルチェや“パン”を連想させる名前のドルチェが多い印象です。今回は、日本でも知られているパネットーネやパンドーロから、あまり馴染みのないドルチェまで、イタリアでクリスマスに食べられているドルチェの一部をご紹介します。

※ご紹介するドルチェは、クリスマスのドルチェとして知られていますが、現代のイタリアでは、多くのものが時期に関わらず購入可能です。

パネットーネ

パネットーネは円筒形で上部がドーム型になっているミラノ発祥のドルチェです。菓子パンのようなドルチェで、伝統的なパネットーネは、水、小麦粉、酵母、バター、卵黄、ドライフルーツ、レーズンを使って作られます。現代では、中にチョコレートやピスタチオクリームが入ったものや、外側がチョコレートでコーティングされたものなど、アレンジされたパネットーネもたくさん販売されています。

レーズンやドライフルーツが入った伝統的なパネットーネ。そのまま食べたり、ザバイオーネや生クリームなどと一緒に食べたりします。アレンジされたパネットーネは邪道で、伝統的なものこそパネットーネ!とこだわりのあるイタリア人も中にはいます。

写真はお店の飾りですが、本物のパネットーネもこのように逆さまの状態につるされて作られます。

クリスマスが近づくと、スーパーにはパネットーネやパンドーロがたくさん並べられます。野菜コーナーの上にも置かれたりします。

パンドーロ

パンドーロはヴェローナに起源をもつドルチェで、8つ角がある星のような形をしています。生地は、小麦粉、砂糖、バター、卵、バニラを使って作られており、バニラ香るふわふわした生地が特徴的。パネットーネと違い、ドライフルーツやレーズンは入っていませんが、生地はパネットーネよりパンドーロのほうが甘目です。食べる前に粉砂糖をふりかけていただきます。パネットーネと同様で、イタリアでは、伝統的なタイプのパンドーロ以外に、チョコレートクリームなどが中に入っているアレンジ版もたくさん販売されています。

パネットーネと比べて、中に何も入っていない分シンプルなパンドーロ。カステラのようなお菓子です。パネットーネと同様で、クリスマス時期にはスーパーで山積みに置かれています。

トッローネ

トッローネはイタリア版のヌガー。卵白と蜂蜜、ナッツ類、砂糖で作られていてとても甘いお菓子です。トッローネ発祥の地はいくつか説がありますが、クレモナが発祥という説が有力。伝統的なトッローネは硬いトッローネですが、柔らかいトッローネも存在しており、イタリア人には柔らかいトッローネのほうが人気だそうです。

硬いものや柔らかいもの、チョコレートコーティングされたものなど、様々なタイプのトッローネが販売されています。

リッチャレッリ

リッチャレッリは、アーモンド、砂糖、卵白をベースとした生地をオーブンで焼いたもので、シエナが発祥のドルチェです。焼きあがった生地には亀裂が入るため、それを隠すように粉砂糖がふりかけられます。細長い楕円のような形をしており、口当たりは柔らかめ。リチャレッリだけで食べるのも良いですが、ヴィン・サントなどのデザートワインとの相性も良いです。

リッチャレッリはクリスマスだけでなく、イースターの時期にも食べられているドルチェです。写真は通常の形のリッチャレッリですが、イースターの時期には鳩の形をしたリッチャレッリを作る人もいるようです。

パンフォルテ

パンフォルテもリッチャレッリと同じく、シエナ発祥のドルチェ。ドライフルーツやアーモンドやヘーゼルナッツなどのナッツ類、蜂蜜、シナモンやグローブなどのスパイスが入った甘めのお菓子です。粉砂糖がふりかけられているものと、粉砂糖はふりかけずにスパイスでコーティングされているものがあります。やや歯ごたえはありますが、ねっとりとした食感です。

Wikipediaより

見た目は地味ですが、ナッツ類やスパイスなど使われているため、風味豊かな味わいです。

パンぺパート

パンペパートは、地域によって多少材料が異なりますが、基本的に、小麦粉、ドライフルーツ、ナッツ類、ココアパウダー、スパイスをベースとした生地をダークチョコレートでコーティングしたドルチェ。チョコレートの味を想像させる見た目と香りですが、食べ始めると、徐々にナツメグやシナモンなどのスパイス、ドライフルーツ、香ばしいナッツ類の味が口に広がります。甘いお菓子が多いイタリアンドルチェですが、パンペパートは意外と甘さ控え目なお菓子です。

フェッラーラのパンぺパート(Ferrara Terra e Aqua より引用)

パロッツォ

パッロッツォはアブルッツォ州のドルチェ。1920年代にペスカーラのパティシエが、とうもろこしを使ったアブルッツォの田舎の素朴なパンにインスピレーションを得て、クリスマスのお菓子として生み出しました。まわりがダークチョコレートで覆われたドーム型のケーキで、生地にはセモリナ粉、卵、アーモンド、砂糖、オレンジやレモンの皮などが使われています。

外側はチョコレートコーティング、中は少し黄色がかった生地が特徴的なパッロッツォ(Flickrより Annaさん撮影 Annaさんの他の作品

クリスマスのゼッポレ

イタリアでゼッポレというと、甘いものからしょっぱいものまで、いくつか種類があります。クリスマスのゼッポレはイタリア南部で広まっているドルチェです。揚げドーナツのようなお菓子で、発酵させた生地を油で揚げて作ります。丸みを帯びた形や細長い形など、形は地域によって様々です。

揚げドーナツのようなゼッポレ(Roba da Donneより引用)

モスタッチョーリ

モスタッチョーリは、ナッツ類、蜂蜜、スパイスなどを使ったひし形のビスケット。カンパーニャ州やイタリア中南部で広まっているお菓子です。地域によっていくつかのバリエーションがあり、ナポリの場合、生地にはココアパウダーも使われ、まわりはチョコレートでコーティングされています。聖フランチェスコの好物だったと言い伝えられており、16世紀には、王族や貴族の食卓にも登場したという記録が残されています。

ナポリのモスタッチョーリ(Flickrより Terre dei Trabocchiさん撮影 Terre dei Trabocchiさんの他の作品

 

この記事を書いた人
MAYUKO
初めての海外旅行で訪れたのはイタリア。そこからどんどんイタリアにのめり込み、大学院在学中にイタリア留学を決意。大学院での研究テーマはジュゼッペ・ヴェルディ。一度は日本へ帰国・就職するも、イタリアへの想いが忘れられず、2019年に再びイタリアへ戻ることを決意。現在ミラノ郊外在住。
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