カラブリア名物!辛口サラミ、ンドゥイヤ(`Nduja)とは?

ンドウィヤをご存知ですか?カラブリア地方を代表するサラミです。どんな味がするのでしょうか?そしてどんな料理に使うのでしょうか?今回はンドゥイヤについてご紹介します。

ンドゥイヤとは

カラブリアのリゾート地、トロペア     Photo by Argy on pixabay

ンドゥーヤとは、イタリア半島爪先の部分にあたるカラブリア州を代表するサラミです。

豚肉をペースト状にして、背脂、塩、ローストした胡椒、スパイス、そしてカラブリアの代名詞ともいえる唐辛子をたっぷり入れて、腸詰にしてじっくり約1ヶ月間、熟成させて作ります。

Photo by YUKAKO

通常のサラミとは違って、ペースト状になっているンドゥイヤ。
パンにそのまま塗ったり、チーズと合わせてワインのあてに。または、パスタの具、ピザのトッピングなんかにもよく合います。
唐辛子を練り込んでいるため、見た目も真っ赤で、燃えるような辛さが特徴です。

今は豚バラ肉を使ってンドゥイヤを作っていますが、昔はそうではありませんでした、
もともとンドゥイヤは貧しい人々の食べ物。お肉の美味しい部分を領主に献上し、余った部分の肉片(内臓、頭、食道など)を潰して、唐辛子と一緒に腸に詰めたことが始まりだそうです。

時代を経た現在は、一般的なンドゥイヤに内臓は使わないとのこと。
豚バラ肉を使い洗練された味に、磨き上げています。




ンドゥイヤという名前

Photo by Anthony Choren on unsplash

ところで、この「ンドゥイヤ」という名前。
イタリア語をご存知の方なら違和感を感じるのではないでしょうか?

イタリア語で、「ン」から始まる単語はあまり聞かないですよね。調べてみたところ、やはりイタリアの言葉ではなく、フランス語から来ているそうです。フランス語のサラミを意味する「アンドゥイユ(andouille)」という言葉が由来だとか。

19世紀初頭、カラブリアはナポリ王国の支配下にありました。そしてこの時代のナポリの王だったのがフランス人だったのです。

やがてフランスよりもたらされた「アンドゥイユ」という豚肉の余りで作ったサラミ、という名前から、「ンドゥイヤ」に名前が変化していったようです。

一度聞いたら忘れられない不思議な名前、なんとフランス語から来ていたんですね!

ンドゥイヤを使った料理

パスタ

Photo by YUKAKO

ンドゥイヤを使ったもっともポピュラーなカラブリア地方の家庭料理。
辛味がピリッと、たまりません。

【材料(4人分)】
パスタお好みの量
ンドゥイヤ 大さじ2程度
トマト缶 1缶
パプリカまたはピーマン 1個
セロリ(お好みで) 1/2本
玉ねぎ 1/2個
白ワイン 60cc
塩 適量

1. パスタを茹でる
パスタを袋の表示通り茹でます。

2. 野菜を刻む
パプリカ、セロリ、玉ねぎをみじん切りにします。

3. フライパンに投入

Photo by YUKAKO

フライパンにオイルをひき、パプリカ、セロリ、玉ねぎ、ンドゥイヤを入れて炒めます。
しばらくしたら、白ワインを投入して、アルコールを飛ばします。

4. 煮詰める

Photo by YUKAKO

さらにトマト缶、砂糖を入れ、15分ほど弱火でぐつぐつ煮詰めます。

5. 仕上げ

Photo by YUKAKO

茹で上がったパスタをフライパンに移し、ソースを絡めて出来上がりです。

お肉の旨味がソースに溶けて、ヒリヒリしながらも、食べる手が止まらない一品です。




ピザ

Photo by YUKAKO

ピザのトッピングとしてもポピュラーです。

【材料(2枚分)】
★ピザ生地
ピザ用小麦粉(強力粉でも良いが粘りが強く出ます) 250グラム
水 150cc
ドライイースト 2.5グラム
オリーブオイル 大さじ1
塩 5グラム

★トッピング
なす、ズッキーニ 1本ずつ
ンドゥイヤ 適量
モッツァレラチーズ 適量
トマト 適量

A. ピザ生地を作る

A-1. 粉類をまぜる
ボウルに小麦粉と塩、ドライイーストを入れて混ぜます。オリーブオイルと水を3分の1ほど加え、さらに混ぜます。少しずつ水を加え、ボウルの中でまとめます。

A-2. 練る作業
生地が塊になったら、小麦粉をふった台の上にのせ、10分間ほどよく練ります。生地が手につかなくなって、艶が出てきたらOKです。

A-3. 1次発酵させる
小麦粉少々ふったボウルの中に生地を移し、ラップをして、室温(25度前後)で約2時間約2倍の大きさになるまで、発酵させます。

A-4. 2次発酵させる
生地を2等分にして、切り口を下にして台の上で丸めます。バットに並べてラップをし、室温に30分置いて再発酵させます。

A-5. 生地を伸ばす
台と手に強力粉をふり、生地の中央から外側に向かって指先で押し広げていきます。ある程度の大きさになったら、片手で生地を引っ張りながら、もう一方の手のひらを使って薄く広げていきます。

B. トッピング

なすとズッキーニは縦に薄切りにして、グリルするかフライパンでオイルで焼きます。
トマトは角切りまたはくし形切り(お好みの切り方でOKです)。

C. 仕上げ

C-1. 具材を乗せる
ピザ生地に、ンドゥイヤを乗せ、なす、ズッキーニ、モッツァレラをちぎって乗せます。

C-2. オーブンで焼く
250度に熱したオーブンで10分程度焼きます。

C-3. 仕上げる
トマトを飾り、出来上がりです。

ンドゥイヤの辛味が、野菜やチーズとマッチして、たまりません。
あまりの美味しさ(?)に、我が家の4歳の娘も魅了されたようです。辛さに勝る、この癖になる味。「辛い!」と言いながら、皿に手を伸ばす手が止まりませんでした。




さいごに

Photo by YUKAKO

日本ではあまり知られていない、カラブリア州のサラミ・ンドゥイヤ。
年々暑くなる夏の暑さを乗り切るためには、この辛味が強い、ンドゥイヤを召し上がってみてはいかがでしょうか?

真っ赤に燃える太陽の如く、舌もお腹も燃えてしまうかもしれませんが、きっとまた食べたくなりますよ。

#郷土料理 #南部(ナポリ・バーリ)

この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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