イタリアの夏の定番野菜 花ズッキーニ

花ズッキーニ Fiori di zucca(フィオーリ・ディ・ズッカ)をご存知でしょうか?
イタリアの初夏に出回るズッキーニの花で、イタリアでは、夏野菜の定番として人気の野菜です。

花ズッキーニとは?

Photo by Maria Orlova on Pexels

花ズッキーニとは、文字通りズッキーニの花のことを指します。
しかし、イタリアでは、花ズッキーニは、フィオーリ・ディ・ズッカ(fiori di zucca)、つまり『かぼちゃの花』と呼ばれています。

カボチャではないのに、なぜカボチャなのでしょうか?
そもそも、ズッキーニはかぼちゃの仲間で、同じ部類。イタリアではかぼちゃの花も食べられるそうですが、流通しているのはほとんどが、ズッキーニの花です。

花ズッキーニの旬は、春の終わりから夏にかけて。ズッキーニの実の旬が夏なので、その前の収穫ということになります。

ズッキーニの花は、早朝に開花し、日が昇ると萎んでしまうため、収穫は夜明け過ぎの早朝に行われます。
収穫後もデリケートで日持ちしないため、購入したら、すぐ調理するのがベストです。ただし、すぐそうできない場合は、濡らしたキッチンペーパーを花の中に詰め、ジップロックで保存しましょう。2、3日は保ちます。




雄花雌花

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ズッキーニには、雄花と雌花があります。
見分け方は簡単。雌花は受粉後、実がなるので花の段階でも赤ちゃんズッキーニがくっついています(写真は雌花です)。一方、花から茎が伸びているものが雄花です。

レストランなどで使われるのは、小さい実がついた雌花が多く、生で食べるのには雌花が向いています。一方雄花は傷みにくいため、フリットなど加熱して食べる料理に向いています。

花ズッキーニの下処理の仕方

花ズッキーニの処理の仕方をご紹介します。

1.ガクを取る
キッチンばさみでガクを取ります。

Photo by YUKAKO

2.雄しべ、雌しべを取る
花びらをひらき、中にある雄しべまたは雌しべを取り除きます。

Photo by YUKAKO

3、花を水で洗う
ボウルに水を張り、花ズッキーニをつけてサッと洗います。
その後キッチンペーパーで水気をふき取ります。




おすすめメニュー

定番のレシピから、オーブン料理、サラダなど、花ズッキーニの食べ方は尽きません!

定番!花ズッキーニのフリット

Photo by YUKAKO

こちらは、花ズッキーニのレシピの中で一番定番のレシピです。
花の中に、チーズやアンチョビなどを詰めて、衣をつけて揚げます。初夏の定番メニューとして、家庭料理としても、リストランテのメニューとしても食べられる一品。

花ズッキーニのリピエノ

Photo by YUKAKO

花ズッキーニに詰め物をしてオーブンで焼いたもの。
中に入れるのはチーズや卵などです。

花ズッキーニのサラダ

Photo by YUKAKO

新鮮なうちにしか食べられない贅沢な一品。生ハムやアンチョビ、チーズなどと合わせます。
味付けは、シンプルにオリーブオイル、レモン汁、ハーブなどだけで頂くことが多いです。

花ズッキーニ、どこで手に入る?

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イタリアなら、初夏の5月下旬から6月ごろ、スーパーマーケットやメルカート(市場)に出回ります。ただし、鮮度が命の花ズッキーニ。いつでも手に入るわけではないのが、にくいところです。
もしイタリアに住まわれている方で、近所に農家の方がいたら、ズッキーニの花を頂けないか頼んでみるのも一つかもしれません。雌花は実がついているので難しいかもしれませんが、雄花なら頂けるかも?!

一方、日本ではなかなか普通のスーパーや八百屋さんでは見つからないでしょう。デパートや輸入食品などを扱う野菜コーナーで見つかることがあるかもしれません。
あとは、西洋野菜を育てている農家さんで個人販売を行っている方などから、直接購入するという手も。農家さんから直送だと、新鮮なまま届くので美味しさはお墨付きですね。




さいごに

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↑受粉のために、ミツバチなどが花粉を媒介します

日本ではまだ馴染みのない花ズッキーニ。
もしズッキーニを育てている方が、お知り合いにいたら花も食べることを勧めてみては?
見た目の美しさ、そして美味しさに心を奪われるかもしれません。

次回 夏の人気野菜 花ズッキーニのレシピ3種 では、今回ご紹介した花ズッキーニのレシピをご紹介します。

#イタリア野菜 #レシピ

 

この記事を書いた人
YUKAKO
夫の転勤に伴い、ローマに1歳の娘を連れて渡伊。イタリア人の子ども好きで面倒見の良さに感激する。また、現地のイタリア料理教室にも通い、イタリア料理の奥深さに触れる。子育て中の母親の視点、また料理好きの視点で、イタリアの魅力をお届けできればと思います。
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